徳山高専 三つのポリシー

 

ディプロマポリシー(卒業・修了認定の基本方針)

 本校では、下記の人材の育成を目的とします。所定の年限在籍し、以下に示す能力・技能に加え、複合分野にわたる知識を有機的に結びつける能力を備え、各学科が規定する単位を修得したものに卒業を認定し準学士と称することを認め、各専攻が規定する単位を修得したものに修了を認定します。

【本 科】
情報技術をベースに、それぞれ得意とする複合技術を生かして、技術的課題を解決できる技術者
【専攻科】
情報技術をベースに、それぞれ得意とする複合技術を生かして、設計・開発を行う素養をもつ技術者

 卒業生・修了生が修得すべき能力・技能を具体化すると、次のようになります。

1. 基本的能力
    数学、自然科学、人文・社会科学、工学基礎など、工学の専門知識や技術の修得に必要となる能力。
2. 専門的能力
    それぞれの専門分野及び複合分野にわたる技術者として備えるべき能力。
3. 汎用的技能
    技術者として必要となるコミュニケーションスキル、合意形成、情報収集・活用・発信力、課題発見、
    論理的思考などの技能。
4. 態度・志向性(人間力)
   技術者として必要となる主体性、自己管理能力、責任感、チームワーク力、リーダーシップ、未来志向型
   キャリアデザインなどの能力。
5. 創造的思考力
    技術者として必要となる創成能力やエンジニアリングデザイン能力などの思考力。
6. 異文化対応力
    技術者として世界のどこでも必要となる教養と感性を持ち、グローバルな視点で異文化に対応する能力。
7. 倫理的判断力
    世界のどこで活躍しようとも必要となる判断基準を持ち、技術者として自らの技術を公衆の安全、健康、
    福利を優先して活用するための能力。

カリキュラムポリシー(教育課程編成および実施の基本方針)

 本校では、ディプロマポリシーにて掲げた能力を育成するために、以下に示す科目群を用意しています。

   各学科・専攻科における具体的な科目群をまとめると次のようになります。

<全学科・専攻共通>
1. 基本的能力
    豊かな教養を身につけることを目的として人文・社会科学、芸術などに関する科目を本科・専攻科を通して
    用意しています。また、工学の専門知識や技術の修得に必要な学問的基礎を学ぶことを目的として、数学、
    自然科学、基礎工学などに関する基礎・応用科目群を本科・専攻科を通して教育課程に用意しています。
2. 専門的能力
    各学科・専攻科において専門工学、工学実験・実習、応用・学際的科目群を用意しています。
3. 汎用的技能
    各学科・専攻科において創造演習・創造製作、卒業研究(および専攻科における総合演習、応用研究、特別
    研究)、学科学年縦横断型の活動など、汎用的技能を身につけるための実技科目群や活動を用意していま
    す。
4. 態度・志向性(人間力)
    各学科・専攻科において創造演習・創造製作、卒業研究(および専攻科における総合演習、応用研究、特別
    研究)、体育などとともに、学科学年縦横断型の活動、キャリア教育支援プログラム、課外活動など、態
    度・志向性(人間力)を育成するための科目群や学生の自発的参加型の活動を用意しています。
5. 創造的思考力
    各学科・専攻科において創造演習・創造製作、卒業研究(および専攻科における総合演習、応用研究、特別
    研究)、学科学年縦横断型の活動など、創造的思考力を育成するための課題解決能力・開発力の育成に関
    する科目群や活動を用意しています。
6. 異文化対応力
    技術者としての異文化対応能力を身につけることを目的として、英語、中国語、ドイツ語などの外国語科目
    や国内研修・海外研修・語学研修プログラムを本科・専攻科を通して用意しています。
7. 倫理的判断力
    技術者としてグローバルな視点で自らの技術を公衆の安全、健康、福利を優先して活用するための倫理観を
    身につけることを目的として倫理、哲学、技術者倫理、安全工学概論などの科目を本科・専攻科を通して用
    意しています。

<機械電気工学科・機械制御工学専攻>
1) 機械工学・電気工学の基礎・応用科目群:いわゆる機械工学(材料力学、水力学、熱力学、機械力学など)
    および電気工学(電気回路、電子回路、電磁気学など)を基盤とした基礎専門科目群および専攻科における
   それらの応用・学際的科目群(ロボット制御工学、応用計測工学など)を用意しています。
2) 実践的技術力の修得に関する科目群:実践的な工学実験、工作実習、設計製図(および専攻科における総合
    実験)などの実技科目を用意しています。
3) 課題解決能力・開発力の育成に関する科目群:創造演習・創造製作、知的財産権、卒業研究(および専攻科
    における総合演習、応用研究、特別研究)など、課題解決能力、応用力、創造力、プロジェクトマネージ
    メント力、チームワーク力、表現力などの総合的能力を身につけるための科目を用意しています。

<情報電子工学科・情報電子工学専攻>
1) 電子・情報・通信工学の基礎・応用科目群:いわゆる情報工学(情報理論、コンピュータアーキテクチャ、
    プログラミングなど)および電気・電子工学(電磁気学、アナログ回路、ディジタル回路など)を基盤とし
    た基礎専門科目群および専攻科におけるそれらの応用・学際的科目群(メディア信号処理、半導体電子工学
    など)を用意しています。
2) 実践的技術力の修得に関する科目群:実践的なプログラミング関連科目、電子工学実験、情報システム実
    験、電子通信システム実験(および専攻科における総合実験)などの実技科目を用意しています。
3) 課題解決能力・開発力の育成に関する科目群:知的財産論、創造演習・創造製作、卒業研究(および専攻科
    における総合演習、応用研究、特別研究)など、課題解決能力、応用力、創造力、プロジェクトマネージ
    メント力、チームワーク力、表現力などの総合的能力を身につけるための科目を用意しています。

<土木建築工学科・環境建設工学専攻>
1) 土木工学・建築学の基礎・応用科目群:いわゆる土木工学(土木構造・材料学、水工学、地盤工学、測量学
    など)および建築学(建築構造・材料学、建築計画学、建築環境・設備学、都市計画学など)を基盤とした
    基礎専門科目群および専攻科におけるそれらの応用・学際的科目群(建設プログラミング、都市環境計画学
    など)を用意しています。
2) 実践的技術力の修得に関する科目群:実践的な工学デザイン、工学実験、測量実習、情報処理、CAD(およ
    び専攻科における総合実験)などの実技科目を用意しています。
3) 課題解決能力・開発力の育成に関する科目群:集中測量実習、創造演習、卒業研究(および専攻科における
    総合演習、応用研究、特別研究)など、課題解決能力、応用力、創造力、プロジェクトマネージメント
    力、チームワーク力、表現力などの総合的能力を身につけるための科目を用意しています。

<成績評価及び単位認定基準>
   これらの科目に対する単位取得の認定は、各科目のシラバスに基づき、以下の方法で行います。
(1) 成績評価は、定期試験の成績、レポート等の課題、履修状況等を総合して実施します。
(2) 成績は履修と認められた科目で100点法により採点し、60点以上の成績をもって所定の単位を認定します。
(3) 単位認定のための成績評価の評点区分(評語)は4段階です。
 ※GPA算出のためのGrade Point(GP)は5段階です。
       GPAによる区分
         評語       最終成績(点)     GP (Grade Point)
               A              90~100                          4
               B              80~89                            3
               C              70~79                            2
               D              60~69                            1
               F                0~59                            0

      単位認定のための成績評価
   最終成績(点)  評点区分(評語)
   80~100       優
   70~79       良
   60~69       可
     0~59       不可
 

アドミッションポリシー(入学者選抜の基本方針)

 本校のアドミッションポリシーは、ディプロマポリシーに基づき、次のような能力と意欲を持った学生を入学させるためのものです。具体的には次のような人を求めています。

<本科入学者および編入学者に求める学生像>
 本科(準学士課程)では、以下の素養を有する人を求めています。
・数学と理科の基礎学力が身についている人
・信頼される技術者を目指し、コミュニケーション能力の基礎を身につけている人
・勉学や課外活動などに意欲を持って取り組んでいる人
・ものづくりが好きで社会の発展に役立ちたいと考えている人
<専攻科入学者に求める学生像>
 専攻科では、次のような人を広く求めています。
・複合分野の基礎となる基本的素養が身についている人
・コミュニケーション能力や倫理的判断能力が身についている人
・実験・演習や卒業研究に意欲をもって取り組んでいる人
・ものづくりや研究開発で社会の発展に役立ちたいと考えている人

 本校では、入学者の選抜に関して以下の方針を定めています。
<本科入学者選抜の基本方針>
・推薦による選抜においては、出身中学校長が責任を持って推薦した生徒に対して、調査書および推薦書等の
   提出資料の内容に加え、作文(コミュニケーション能力の基礎として国語による表現力、ものづくりが好き
   であるかを評価)、目的意識・意欲などに関する一般面接(コミュニケーション能力や意欲、ものづくりが
   好きで、信頼される技術者を目指しているか、社会の発展に役立ちたいと考えているかを評価)、各学科へ
   の適性に関する適性面接(数学や理科の基礎学力を評価)の結果を総合的に評価し、本校への適性を有する
   と判断した人を選抜します。
・学力検査による選抜においては、本校の教育を受けるのに必要な素養と基礎学力を有した者を選抜するた
   め、学力検査の結果と調査書の内容を総合的に評価します。学力検査は筆記試験で、国語、英語、数学、理
   科、社会の5教科です。なお、数学と理科の基礎学力が身についているかを評価するため、他の教科に比
   べ、数学を2倍、理科を1.5倍に換算します。また、他の教科と調査書は主に十分なコミュニケーション
   能力の基礎を身につけているかを評価します。
・帰国子女特別選抜においては、筆記試験で、国語、英語、数学、理科の4教科を実施し、数学と理科の基礎
   学力が身についているかを評価するため、他の教科に比べ、数学を2倍、理科を1.5倍に換算します。ま
   た、他の教科では主に十分なコミュニケーション能力を身につけているかを評価します。さらに一般面接
   (意欲、ものづくりが好きで社会の発展に役立ちたいと考えているか、信頼される技術者を目指しているか
   を評価)を行い、本校への適性を有すると判断した人を選抜します。

<編入学者の選抜方針>
 編入学希望者の選抜においては、本校の教育を受けるのに必要な素養と基礎学力を有した者を選抜するため、数学と英語、および物理または専門科目の学力検査(基礎学力を評価)を行い、調査書等の内容を参考に面接(コミュニケーション能力、意欲、ものづくりが好きで社会の発展に役立ちたいと考えているか、信頼される技術者を目指しているかを評価)を行い、これらの結果を総合的に評価し、本校への適性を有すると判断した人を選抜します。

<専攻科入学者選抜の基本方針>
  専攻科入学者の選抜は、「学校長の推薦による選抜」、「学力検査による選抜」および「社会人特別選抜」の三つの方法で行います。
・「学校長の推薦による選抜」においては、在籍学校長が学力・人物ともに優れていると認め推薦した者に対
   して、卒業研究計画書に基づく面接(実験・演習や卒業研究の取り組みを評価)及び願書、推薦書などを参考にした面接(コミュニケーション能力、ものづくりや研究開発で社会の発展に役立ちたいと考えているかを評価)の結果並びに出願書類をもとに、総合的に判定します。
・「学力検査による選抜」においては、数学、英語及び専門科目の得点(複合分野の基礎となる基本的
   素養を評価)、面接(コミュニケーション能力、ものづくりや研究開発で社会の発展に役立ちたいと考えて
   いるかを評価)の結果並びに出願書類をもとに、総合判定により行います。英語はTOEICスコアを本校専攻
   科で定めた基準により換算します。また専門科目は口頭試問で実施します。なお、専門科目は外部資格によ
   る免除制度があります。
・「社会人特別選抜」においては、所属する機関の長が学力・人物ともに優れていると認め推薦した者に対し
   て、面接(コミュニケーション能力、ものづくりや研究開発で社会の発展に役立ちたいと考えているかを評
   価)の結果及び出願書類をもとに、総合判定により行います。

アセスメントポリシー(学修成果の評価に関する方針)

 本校では、ディプロマポリシー・カリキュラムポリシー・アドミッションポリシーの三つのポリシーに基づく教育の実施と改善・改革を推進するためアセスメントポリシーを定めます。本ポリシーは、三つのポリシーそのものの妥当性を検証し、さらに学校全体、学科・専攻、科目の3段階で学修成果等の評価の方針を定め、これらの結果をそれぞれの段階にフィードバックすることにより、学校全体として教育改善を継続して行うために設定します。

<徳山工業高等専門学校全体のアセスメントポリシー>
 学生の志望進路(就職率、進学率、就職先、進学先)、卒業生・修了生アンケート調査、企業アンケート調査等から、本校が育成しようとする技術者像に沿った学修成果の達成状況を検証します。検証結果は、学校全体の現状把握、全学的な教育改革・改善、キャリア教育等の改善に活用します。  

<学科・専攻のアセスメントポリシー>
 学科・専攻における卒業・修了要件達成状況、単位取得状況、外部客観テスト(英語運用能力テスト(TOEIC等)、ジェネリックスキルテスト、異文化対応力テスト、学習行動調査等)から、学科・専攻の教育課程全体を通した学修成果の達成状況を検証します。

<科目のアセスメントポリシー>
単位取得状況、成績評価資料のピアレビュー、学生による授業アンケートの結果等から、科目ごとの学修成果のレベルと、その達成状況を検証します。

アセスメントポリシーそのものが機能しているかどうかは、アセスメントポリシーに基づいた教育改善が、学校全体で継続して行われていることを「教育点検システムの点検結果報告書」としてまとめ、自己評価・点検することにより検証します。また、学校全体の教育システムのPDCAサイクルそのものが機能しているかは、「教育点検システムの点検結果報告書」の結果を顧問会議で報告し、さらなる改善や課題等について意見を伺うことにより確認、検証するとともに、学校ホームページにて公開します。
 

 

 

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