校長メッセージ
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校長 阿部 恵 |
徳山工業高等専門学校は、令和6年度に創立50周年という大きな節目を迎えることができました。半世紀にわたり本校の歩みを支えてくださいました保護者の皆様、地域の皆様、そして多くの関係者の皆様に、あらためて深く感謝申し上げます。
本校は「実践的かつ創造的な技術者の育成」を教育の柱とし、1974年の開校以来、時代の要請にこたえる技術者を社会に送り出してまいりました。教育の特徴は、多くの技術分野で必須である「情報技術」をベースに、本校開校以来の伝統である「複合技術」を活用して活躍する技術者の育成です。本科では、発見した「技術的課題を解決できる技術者」を、専攻科では、そこから新たなものを「設計・開発できる技術者」を育成しています。本科・専攻科における専門分野の基礎から応用までの知識や技術に基づき、講義や演習、実験・実習、課題発見・解決型授業などにより、7つの能力を身に付けることができます。その能力とは、①基本的能力(工学の基礎知識・スキル)、②専門的能力(複合分野の専門知識・スキル)、③汎用的技能(課題発見・解決、コミュニケーションスキルなど)、④人間力(自己管理力、責任感、チームワークなど)、⑤創造的思考力(知識・スキルを活用・統合し創成する能力)、⑥異文化対応力、⑦倫理的判断力です。
近年、私たちの社会は、科学技術の進化、グローバル化の進展、環境問題、エネルギー問題等、さまざまな面で急速に変化を遂げております。こうした中、技術者に求められる資質・能力も、より高度で多面的なものとなっています。本校では、5年間の一環教育を通じて、学生たちが専門知識と技術力を身に付けるとともに、広い視野と豊かな人間性を育むことができるよう、さまざまな教育活動を展開しています。とくに、各種コンテストや課外活動では全国大会での受賞実績を誇っており、学生たちの創造力や挑戦する力が存分に発揮されています。
全国高専ロボコン2022では全国大会でロボコン大賞を受賞し、全国高専デザインコンペティション2024では4年連続して構造デザイン部門優秀賞を受賞しました。全国高専プログラミングコンテスト2023では競技部門で特別賞と企業賞のダブル受賞をするとともに、2024年には競技部門で準優勝となりました。また、体育会系のクラブでは、複数のクラブが全国高専体育大会で優勝・準優勝の成績をおさめています。
また、地域や企業の皆様、さらには海外の同世代の学生との交流にも積極的に取り組んでおります。今後は、海外の教育機関との連携をさらに強化し、世界の技術とつながる体験を通して、柔軟な発想力と国際感覚を持ったグローバルエンジニア育成に、より一層力を注いでまいります。そのために、私たち教職員が一丸となり、学生の個性や可能性を大切にしながら、日々の教育及び指導に真摯に向き合い、社会の変化に対応できるしなやかな力を育んでいきたいと考えております。
今後とも、我が国の未来を担う優れた技術者を育てるとともに、地域に根差した取り組みを行ってまいります。関係者の皆様におかれましては、本校へのご支援、ご協力に心から感謝申し上げますとともに、今後も本校の発展により一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。
徳山工業高等専門学校長 阿部 恵