校長メッセージ
| 徳山工業高等専門学校長 井上 直樹 高専は、1960年代に、産業構造が第一次産業から第二次産業に移行し、しかしそれを支える労働力は中学校卒の集団就職者という社会環境の中で、産業を中核として支える実践的技術者を養成する高等教育機関として創設されました。それから現在に至るまで、経済社会的環境は変わり続けています。産業構造は、今や第三次産業が過半を占めています。教育について言えば、高校全入・大卒の供給過剰という時代を迎えています。その中で、高専は、卒業生に対する求人倍率約10~20倍、就職希望者の就職率ほぼ100%という状況であります。このことは、時代が移り変わっても、高専が育てる実践的技術者の社会的需要は不変であったことを物語っています。 もちろん、高専はその立場に安住して良いわけはありません。現代社会では、既存の技術を巧みに改良し、組み合わせて問題を解決する能力だけでなく、革新的な新技術を自ら開発していく研究能力が求められる場面も多いのです。このため、1990年代には、5年間の本科に続く2年間の専攻科の創設を含む制度改革を実施しました。専攻科を修了した学生は大学評価・学位授与機構の審査を経て、学士の学位を取得できます。徳山高専では、卒業生のうち約40%が進学を希望し、専攻科に入学、または大学の3年生に編入します。さらに、2年間の専攻科を修了して、大学院へ進学する学生も少なくありません。 入学者の皆さんには、卒業後直ちに就職する道と、大学に進む道のいずれかを選ぶことができます。自分の進む道を早く決めて準備を始めるのは有利なことに違いありませんが、一方で、正しい進路を見極めるのが難しいことも事実です。徳山高専では、進路選択を誤らないように、また自分が望むキャリアをステップアップしていけるように、キャリア教育支援に力を入れています。 この活動は、学校本来の仕事である、学生の皆さんをお預かりして教育した後、社会へと巣立っていっていただくことであり、そして、社会から、「良い学生さんを、有り難う」といっていただくことを目標としています。しかしながら、その評価は、本人の本校における勉学の成果だけでなく、就職先への適性やその他の能力を面接の時にどれだけアピールできるかといった要素の占める割合が大きいのが現実です。私は、授業もさることながら、キャリアステップ支援の活動の強化が、教育=人材育成を最重要のミッションとする高専の、最優先の課題だと信じます。 本校の教職員は、私を含め皆、学生の皆さんや地域の皆さんに「あって良かった」と思っていただける教育機関であり続けたいと願って、努力を重ねております。よろしくお願いいたします。 |




