地域連携

山口県の小中学生17,000人に「防災出前授業」を実施してきました(2023年10月現在)

土木建築工学科の目山直樹准教授が2011年より山口県の小中学校で実施してきた「防災出前授業」に参加した児童・生徒が累計17,000人(※)になりました。(2023年10月現在)

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【左の写真:小中学校で防災授業を受講した学生が,講師となって小学生に説明している】

【右の写真:ハザードマップを使った演習 自分の家と避難場所にシールを貼る】

 

この取り組みについては,今年8月に行われた「第15回土木と学校教育フォーラム」(土木学会)の招待講演において,「小・中学校での防災出前授業17,000人の児童・生徒との学びを通じて」と題して発表し,座長の藤井聡氏(京都大学教授)をはじめ,出席者の大きな反響を呼びました。

※目山准教授が担当した防災授業で約15,000人,連携相手の山口県砂防課や2020年以降の防府市など,目山准教授の提供した教材や実験器具を使った防災教育の受講者を合わせると約17,000人になります。

 

【背景】

この「防災出前授業」が始まったきっかけは2009年7月の防府市土砂災害です。土砂災害の危険性はあり続けるものの,地域の防災対応力は十分でないという困り感を受け,子どもへの教育を通じて地域社会の「防災」意識を高めることを目的として,防府市で2011年から2019年まで市内の小・中学校で防災出前授業を実施してきました。その後,山口県教育庁と連携して山口県の小・中学校での防災出前授業を実施し,さらに山口県砂防課と連携して,小学校での砂防出前授業も実施してきました。

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【左の写真:乾いた砂の安息角の実験 児童が30度になることを確かめる】

【右の写真:手に持てる土石流実験水槽 小石の速さはウサイン・ボルト選手より速い】

 

【取り組み内容】

・2時間の防災出前授業(砂防出前授業は1時間)
・事前・事後アンケートにより,効果を把握する
・宿題「家族で話し合い,避難場所を決める」

アンケートにより,以前は平均6割程度だった宿題実施率が現在は77%までに高まるという効果があったことも明らかになりました。

今後は,コロナ期間中に対面授業が難しかったことを踏まえ,リモート型の教材を開発し,今年中にウェブ上で公開する「防災出前授業」に取り組む予定です。

(取材協力 防府市立右田小学校)

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