連続体力学(Continuum Mechanics)
専攻選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
環境建設選択2年前2講義橋本堅一
【授業の概要】
 近年、計算機の発達とともに、地すべり、液状化などの大変形や非線形の問題、熱・電磁気などとの結合現象、非ニュートン流体の流れなどの有限要素法による複雑な数値解析が可能になった。これらの基礎のなる理論を学ぶのが連続体力学である。本講義では複雑な問題に対処するために必要となる概念とアプローチの方法を学ぶ。そして、応力の基礎概念、応力と座標変換、変位とひずみの関係、等方性の固体やニュートン流体の構成式、などを身につける。 
【学修の進め方】
主にノート講義を中心に、講義形式で行う。連続体力学を理解するためには、基本となる基礎式の導出、応用が不可欠であるので、理解を一層深めるために例題および演習問題を取り上げ、詳細な解説を行っていく。授業内容を理解するために予習復習が必須である。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 マトリクス代数(1) マトリクス、総和規約
2 回 マトリクス代数(2) 固有値と固有ベクトル、ケーリー‐ハミルトンの定理
3 回 ベクトル(1) 加法、座標系と基本ベクトル、スカラー積とベクトル積
4 回 ベクトル(2) ベクトルの変換、微分演算子
5 回 テンソル(1) 定義、和と差および積、商法則、特殊なテンソル
6 回 テンソル(2) 固有値と固有ベクトル、微分、ガウスの発散定理
7 回 変形とひずみ(1) 粒子の運動と座標系、変位と変位速度、時間導関数
8 回 中間試験 1回から7回までの範囲で出題する。
9 回 問題の解説及び解答
変形とひずみ(2)
ひずみおよびひずみ速度、ひずみの適合条件、ひずみの不変量
10 回 応力とつり合い方程式(1) 物体に作用する力とつり合い状態、応力テンソル
11 回 応力とつり合い方程式(2)
コーシーの式とつり合い方程式、応力の不変量
12 回 保存則と支配方程式(1) 体積積分と物質導関数、質量保存則、運動量保存則
13 回 保存則と支配方程式(2) 角運動量保存則、エネルギー保存則
14 回 構成式 完全流体、ニュートン流体、線形弾性体、線形熱弾性体
15 回 試験 全14回の講義で学んだことに対するテストを行う。
16 回 まとめ 問題の解説と解答を行う。
【到達目標】 ベクトル、テンソルおよびそれに関する連続体力学の基礎的な扱いや応用ができ、代表的な構成則における応力やひずみの考え方や変形挙動が理解できる。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)d-1
【評価法】試験結果の評価による。
【テキスト】A. J. M. スペンサー;連続体力学/材料力学
冨田佳宏著;連続体力学の基礎,養賢堂発行
【関連科目】構造力学(本科4年)