機械制御工学専攻総合演習(Practice of Mechanical and Control Engineering)
専攻選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
機械制御必修2年2演習西村太志 北村健太郎
【授業の概要】
メカトロ技術を代表する教材として小型ヘリコプターを取り上げ、知識と技術を併せ持つ技術者を育成する。演習では、模型ヘリコプターを用いて行った総合実験で得た知識をベースに、薬剤散布用無人ヘリコプターを対象に、与えられた仕様(サイズ、ペイロード、重量、エンジン出力、制御方法等)のもとでの企画から設計までを一貫して理解するとともに、与えられたミッションを遂行するためのヘリコプターを設計する。
【学修の進め方】
まず実機の組立実習を通じて構造全体を理解し、次に商品開発の進め方を学んだ後、機体各部の設計方法について学ぶ。それをベースに具体的に機体各部の諸元を決定しつつ計画図を作成し、機体の外観図も作成する。本授業は、すでに学んだ個々のメカトロ技術の知識を総合化するため、常に予習復習を行うことが求められる。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 小型ヘリコプタ構造実習
産業用無人ヘリ概要、R50組立実習、産業用無人ヘリの構成
冒頭、総合演習の全体像を説明した後、パソコンの資料を用いて、1時間技術的な概要を説明。
R50実機の構成を確認しながら組立実習
2 回 商品開発の進め方、手順 商品コンセプトの決定、製品企画書の作成、試作機の製作、試作機の評価と改良設計、生産展開等の商品開発の進め方を学習し、商品開発の手順を明確にする
3 回 概念設計(空力設計) 要求仕様を実現するために必要な主要諸元(全備重量、ローター径、エンジン出力など)の求め方を学習する
4 回 概念設計(空力設計演習1) R50を例として与えられたミッションを遂行するために必要なヘリコプターの主要諸元の決定に関する演習を行う
5 回 概念設計(空力設計演習2) 設計課題を提示し、与えられたミッションを遂行するために必要なヘリコプターの主要諸元の決定に関する演習を行う
6 回 基本設計(メインローター設計、テールローター設計) マストやブレードの構造、加わる力、強度計算、材料選定方法、重量計算などについて学習する
7 回 基本設計(動力伝達系設計、胴体構造設計) ミッションやクラッチ、テールロータ駆動方法などの動力伝達系設計及び胴体構造設計について学習する
8 回 基本設計(制御系設計) メインローターからの反トルク変化に対するヨー軸姿勢制御コントローラの設計手法を学習する
9 回 概念設計まとめ 設計課題に対する概念設計のプレゼン後、優れた設計二つを選び、それをベースに二グループにチームを編成
10 回 機体諸元決定と計画図作成1 二つのチームごとに機体各部を役割分担(ロータ設計、動力伝達系設計、制御シミュレーション)して計画図を作成し、最終的に機体全体の組立図として3次元図にまとめる
11 回 機体諸元決定と計画図作成2
12 回 機体諸元決定と計画図作成3
13 回 機体諸元決定と計画図作成4
14 回 機体諸元決定と計画図作成5
15 回 機体諸元決定と計画図作成6
16 回 報告会、まとめ これまでにまとめた計画図や機体外観図の報告を行い、小型ヘリコプターの設計に関し、総合的に理解を深める。
【到達目標】機体諸元を決定し、計画図ならびに機体外観図の作成を通じ、機械制御工学を構成する3つの系の基本的能力を確実に身につけるとともに、企画から設計まで一貫して理解できるようになることを目標にする。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)
【評価法】□評価方法
 ・空力設計発表会[第9回](プレゼンテーション評価:質疑応答を含む):10%
 ・最終発表会(プレゼンテーション評価:質疑応答を含む):20%
 ・空力設計レポート[第9回](計算資料等含む):20%
 ・最終レポート:30%
 ・グループ内評価:20%
※プレゼンテーション評価、資料評価とも関係した教員の平均で求める。
【テキスト】担当教員が随時プリントを準備し、配布する。
【関連科目】本 科:全科目
専攻科:全科目、特に機械制御工学専攻総合実験(1年)