認識工学(Pattern Recognition)
専攻選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
情報電子選択2年前2講義奥本 幸
【授業の概要】
 本講義では、パターン認識について学びます。パターン認識は、郵便番号の文字認識、デジカメの顔認識、音声認識など多くの分野に活用されている基礎的な技術です。
 長い研究の歴史があり、学問体系として確立している統計的パターン認識において、認識の対象となる入力データに依存しない識別系と特徴抽出系について学びます。特に、特徴圧縮技術、パーセプトロン・判別分析を主な例としたパターン認識手法、およびパターン認識手法の性能を評価する手法について学びます。
【学修の進め方】
 講義形式で行います。授業内容を確実に身につけるために、毎回演習の時間を設け、課題をレポートとして提出します。この講義では、線形代数をよく使うため、本科で習ったことの復習が必要です。
 最後に、画像を入力データとする特徴抽出・照合、画像に基づく3次元幾何解析について、提示したテーマから興味のあるものを選んで調査し、理解したことを発表する。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 オリエンテーション
パターン認識とは
シラバスにより授業の概要を説明する。次に、パターン、クラス、学習、パターン認識系の構成について説明する。
2 回 数学的準備(1) 線形代数(固有値、固有ベクトル)の復習をする。
3 回 数学的準備(2) 確率、統計の復習をする。
4 回 学習と識別関数(1) 学習の必要性、最近傍決定則、線形識別関数について学ぶ。パターン分布の統計的構造に基づいてパターン認識問題を解く統計的パターン認識理論について学ぶ。
5 回 学習と識別関数(2)
パーセプトロンの学習規則について学ぶ。 
6 回 誤差評価に基づく学習 Widrow-Hoffの学習規則、誤差評価について学ぶ。  
7 回 識別部の設計(1) パラメトリック・ノンパラメトリックな学習、パラメータの推定について学ぶ。
8 回 識別部の設計(2) 識別関数の設計について学ぶ。
9 回 識別部の設計(3) 特徴空間の次元数と学習パターン数、識別部の最適化について学ぶ。
10 回 特徴の評価とベイズ誤り確率 特徴の評価、ベイズ誤り確率について学ぶ。
11 回 特徴空間の変換(1) 特徴選択、特徴量の正規化、KL展開について学ぶ。
12 回 特徴空間の変換(2) 線形判別法について学ぶ。
13 回 課題研究(1) 特徴抽出、照合、3次元幾何解析に関して、複数のテーマを提示する。その中で興味のあるものを選び、理解する。
14 回 課題研究(2) 選んだテーマについて、プレゼンを行う。
15 回 期末試験 本講義で学習した事項について理解度を問う。
16 回 まとめ 答案を返却し、解説を行う
【到達目標】一般的なパターン認識系の構成が説明できる。
代表的な識別、学習のアルゴリズムが説明できる。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)d-1
【評価法】試験60%、授業中の演習30%、課題研究10%で評価する。
【テキスト】教科書:わかりやすいパターン認識、石井健一郎他著(オーム社)
参考書:はじめてのパターン認識、平井有三著(森北出版)
    
【関連科目】本科:統計学(5年)、確率(3年)、数学IIIB(3年)
専攻科:画像処理応用(2年)