電気回路II(Electric Circuit II)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
機械電気必修4年前1講義櫻本 逸男
【授業の概要】
 4年生前期の電気回路は、3年生で学習した基礎的内容を発展させ、記号法による交流回路計算、三相交流回路、過渡現象について学習する。必要となる数学は、三角関数、ベクトル、複素数、微分方程式である。
【授業の進め方】
 基本的に教科書に沿って講義を行うが、適宜必要な資料を配布する。毎時間、学習シートを配布し、基本的な例題や演習問題を課題として与える。なお、学習シートは、次の時間に提出させ、自己評価で授業内容の理解度を記述させる。また、課題のレポートとしての機能も果たす。授業の内容を確実に身につけるためには、予習復習が必須である。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 複素数
複素数の計算
複素数とベクトルの関係および複素数の計算方法について学ぶ(学1)
2 回 記号法による交流回路の計算
インピーダンスの直列、並列
R、L、Cの単独回路と複合回路に関する記号法による計算方法について学ぶ。(学2)
3 回 ブリッジ回路
複素電力
ブリッジ回路および記号法を使用した電力の計算方法について学ぶ。(学3)
4 回 キルヒホッフの法則
重ね合わせの理
交流回路に適用するキルヒホッフの法則や重ね合わせの理について学ぶ。(学4)
5 回 テブナンの定理
最大有効電力定理
テブナンの定理について学ぶ。
電源が負荷に与える電力が最大となる最大有効電力定理について学ぶ。(学5)
6 回 相互誘導回路
結合係数
変圧器の原理である磁気的結合をもつ電気回路について学ぶ。(学6)
7 回 磁気結合回路の等価回路
コイルの合成インダクタンス
磁気結合回路を回路図で表現する方法とMを含むブリッジ回路について学ぶ。(学7)
8 回 三相交流の概略 三相交流の概略(電気の送られ方)について学ぶ。
9 回 中間試験
記号法による交流回路の計算、交流回路の各種法則、相互誘導回路についての理解を問う。
10 回 三相交流の発生と性質
三相交流と三相結線
三相交流の性質について学習する。三相結線の種類、相電圧、相電流、線間電圧、線電流について学ぶ。(学8)
11 回 三相電力と電力ベクトル図
三相交流とV結線
三相電力とベクトル図、Δ結線の一相を除いたV結線、スターデルタ変換について学ぶ。(学9)
12 回 演習問題 三相交流回路に関する演習問題を行う。
13 回 直流電圧による過渡現象
(RL直列回路)
過渡現象の概略を説明し、RL直列回路に直流電圧(ステップ入力)を加えた場合について学ぶ。(学10)
14 回 直流電圧による過渡現象
(RC直列、RL直並列)
RCの直列回路およびRL直並列回路に、直流電圧(ステップ入力)を加えた場合や取り去った場合について学ぶ。(学11)
期末試験 三相交流回路および過渡現象に関する理解を問う。
15 回 答案返却など 前期末試験の解答を行う。
【到達目標】 メカトロ関連の技術者として、記号法の計算、三相交流回路および過渡現象などの最小限の電気回路の概念と計算技術の習得を目標とする。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)d-1
【評価法】【中間試験】×0.4+【期末試験】×0.4+【学習シートの課題20点満点】
【テキスト】教科書:早川義晴・松下祐輔・茂木仁博、「電気回路(1)直流・交流回路編」(コロナ社)
    阿部減一・柏屋英一・亀田俊夫、「電気回路(2)回路網・過渡現象編」(コロナ社)
関連図書:小郷寛、「交流理論」(電気学会)
【関連科目】本科:電気の基礎(1年)、電気回路I(3年)、電磁気学(4年)