数学IIIB(IE3)(Mathematics IIIB (IE3))
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
一般科目必修3年2講義義永常宏
【授業の概要】
2年次に学んだベクトル、2次曲線の基礎に続き、行列・行列式などを学び、線形代数学的扱いに慣れ親しむ。線形代数的な手法は理工学ばかりでなく、社会科学などの分野にも広く使われる重要な考え方である。ここではその初歩から学ぶ。行列および行列式については計算能力を養い、それらを利用して連立一次方程式を解いたり、線形変換を行うことにより図形(ここでは2次曲線)の標準形を求めたりする。
【授業の進め方】
教科書に沿った講義形式で進める。また、理解度を確認する意味で、適切な単元ごとに家庭学習用の演習問題を課す。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 行列の定義、和、差、数との積 行列の定義および和、差、実数倍の演算方法を学ぶ。
2 回 行列の積 行列の積の演算方法を学ぶ。
3 回 転置行列、対称行列および交代行列 転置行列の定義および関連する対称行列および交代行列について学ぶ。
4 回 逆行列 逆行列の定義および2次の正方行列における逆行列の求め方を学ぶ。
5 回 消去法による連立方程式の解法
および階数
消去法を用いて連立一次方程式を解く方法および階数について学ぶ。
6 回 消去法による逆行列の求め方 消去法を用いて逆行列を求める方法について学ぶ。
7 回 逆行列と連立一次方程式 逆行列を用いた連立一次方程式の解法を学ぶ。
8 回 行列式の定義 2次および3次の行列式の定義について学ぶ。
9 回 中間試験 1〜7回で学習した内容についての試験を行う。
10 回 中間試験問題解説および
行列式の性質
中間試験問題解説の後、順列を用いたn次の行列式の定義、および行列式の諸性質について学ぶ。
11 回 行列式の展開、行列の積の行列式 行列式を小行列式に展開する方法および行列の積の行列式の性質を学ぶ。
12 回 余因子行列と逆行列 余因子行列の定義とそれを用いた逆行列の求め方について学ぶ。
13 回 正則な行列の行列式
連立一次方程式と行列式
正則行列であるための行列式の条件を学び、クラメルの公式について学ぶ。
14 回 行列式の図形的意味 ベクトルの外積およびベクトルが線形独立であるための条件とその図形定期意味について学ぶ。
期末試験 8、10〜14回で学習した内容についての試験を行う。
15 回 答案返却など 期末試験の答案返却および解説をする。
16 回 線形変換の定義 線形変換(一次変換)の定義および行列との関係について学ぶ。
17 回 線形変換の性質 線形変換の基本性質を学ぶ。
18 回 合成変換 線形変換の合成変換の定義と行列の積との関係について学ぶ。
19 回 と逆変換 線形変換の逆変換の定義と逆行列との関係について学ぶ。
20 回 回転を表す線形変換 平面上の点の回転移動(回転を表す線形変換)について学ぶ。
21 回 直交変換 直交行列で表される線形変換について学ぶ。
22 回 固有値と固有ベクトルの導入 行列の固有値と固有ベクトルの導入として、図形も用いながら直感的に学ぶ。
23 回 中間試験 16〜21回で学習した内容についての試験を行う。
24 回 中間試験問題解説および
固有値と固有ベクトルの定義
中間試験問題解説の後、行列の固有値、固有ベクトルの定義について学ぶ。
25 回 固有値と固有ベクトルの計算 固有値と固有ベクトルの求め方について学ぶ。
26 回 行列の対角化 行列の対角化および対角化可能の条件について学ぶ。
27 回 対称行列の対角化 対称行列の直交行列による対角化について学ぶ。
28 回 対角化の応用(1) 二次形式の標準形と二次曲線の概形について学ぶ。
29 回 対角化の応用(2) 行列のn乗の求め方について学ぶ。
期末試験 22、24〜29回で学習した内容について試験を行う。
30 回 答案返却など 答案の返却および解説を行う。
【到達目標】行列および行列式については計算能力を養い、それらを利用して連立一次方程式を解いたり、線形変換を行うことにより図形(ここでは2次曲線)の概略を求めることができるようになる。
【徳山高専学習・教育目標】A1【JABEE基準】
【評価法】原則として、試験結果80(=0.8×(前期中間+前期期末+後期中間+後期期末)/4+平常点20(小試験、レポート)で評価する。なお、学年総合成績においては学習到達度試験の結果に基づき、さらに若干加点することがある。
【テキスト】新 線形代数(大日本図書)
新 線形代数 問題集(大日本図書)
【関連科目】本科:数学IIB(2年)、ベクトル解析(4年)