材料設計工学(Materials for Design)
専攻選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
機械制御選択2年後2講義西村 太志
【授業の概要】
機械や構造物に使われる材料は、材質とともに形状も併せ決定することが肝要である。ここではすでに学んだ材料関連の一連の知識を総合化し、各種機械・機器を設計する上で必要な形状と材料選定の関わりについて理解する。
【学修の進め方】
授業では提起された問題に対しモデル化する手法を学び、その知識を確実にするため、受講生が二つのケースについて具体例を選び、材料選定する手順について説明し、討論する。これまでに学んだ材料系の知識を再整理し、総合化することから、毎回、予習復習を確実に行う必要がある。学習シートは適宜配布する。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 オリエンテーション 授業の概要、進め方、内容、到達目標ならびに評価方法について説明する。
2 回 設計プロセス 三つの設計タイプに関する設計過程の概略を学び、材料選定との関わりを理解する。
3 回 各種工業材料とその性質のまとめ 機械設計で重要となる種々の材料特性について知識を整理する。
4 回 各種材料特性のチャート 材料特性を簡略でみやすい形にまとめた15種類のチャートの読みこなし方を理解する。
5 回 断面形状を考慮しない場合の材料選定/性能指標の導出手順 拘束条件を用い、膨大な材料の中から対象を絞り込む性能指標の求め方を理解する。
6 回 断面形状を考慮しない場合の材料選定/目的に応じた性能指標 代表的な5種類の設計目的に対し、性能指標の意味するところを理解し、把握する。
7 回 断面形状を考慮しない場合の材料選定/ケーススタディ(その1-1) テキストに掲載されているケーススタディについて、その中から二つ選び、詳しく説明する。
8 回 断面形状を考慮しない場合の材料選定/ケーススタディ(その1-2) 残りのケーススタディの中から受講生がそれぞれひとつずつ選び、検討した結果について説明し、討論する。
9 回 断面形状を考慮しない場合の材料選定/ケーススタディ(その1-3) 受講生が選択しなかったケーススタディについて全員で検討を加え、性能指標の求め方についてさらに理解を深める。
10 回 種々の標準問題に対する近似解法 種々の標準問題のモデル化手法を整理し、構成式ならびに近似式への理解を深める。
11 回 断面形状を考慮した場合の材料選定/形状因子 種々の負荷様式に対し、剛性支配と強度支配下での形状因子の求め方を理解する。
12 回 断面形状を考慮した場合の材料選定/形状を考慮した性能指標 断面形状と材料特性を考慮した最適な性能指標の意味するところを理解し、把握する。
13 回 断面形状を考慮した場合の材料選定/ケーススタディ(その2-1) テキストに掲載されているケーススタディについて、その中から二つ選び、詳しく説明する。
14 回 断面形状を考慮した場合の材料選定/ケーススタディ(その2-2) 残りのケーススタディの中から受講生がそれぞれひとつずつ選び、検討した結果について説明し、討論する。
15 回 材料のプロセッシングと設計 材料の種々の加工法について知識を整理した後、プロセス選定チャートの読みこなし方について、ケーススタディを交えつつ理解する。
16 回 まとめ これまでの授業のまとめを行う。
【到達目標】材料とその強さに関する基本的なことがらを本質的に理解し、本科から学んできた材料に関連する一連の知識を、具体例を用いた材料選定を通じ、総合的に身につけることを目標とする。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)d-1
【評価法】最終成績は、大きく次の2項目の合計で評価する。
1. 毎回の授業における質疑応答を中心とした理解度:20%(20点満点)
2. 2回のケーススタディ:80%
 その1:パワーポイント資料:40%(40点満点)
     プレゼンテーション(含質疑応答):10%(10点満点)
 その2:パワーポイント資料:20%(20点満点)
プレゼンテーション(含質疑応答):10%(10点満点)
【テキスト】M.F.Ashby、金子・大塚訳:「機械設計のための材料選定」(内田老鶴圃)
【関連科目】本 科:材料学I(3年)、材料学II(4年)、材料力学I(3年)、材料力学II(4年)、弾塑性論(5年)、機械設計論I(4年)、機械設計論II(5年)
専攻科:弾性力学(1年)、材料強度学(2年)、生体機械力学(2年)、総合演習(2年)