本科 | 選択・必修 | 開設時期 | 単位数 | 授業形態 | 担 当 | |||
機械電気 | 必修 | 4年 | 2 | 講義 | 福田 明 | |||
【授業の概要】 材料力学の目的は材料を正しく、すなわち安全で経済的に使用することにあり、そのためには、そこに作用する力と変形を的確に知る必要がある。4年次では曲げ(主として曲げ応力とたわみ)、ねじり、座屈の基本的な問題に関して基礎力と応用力を養う。 | ||||||||
【授業の進め方】 おおむね教科書に沿って講義を進める。学習シートは毎回用意し、理解を深めることに役立てる。受講者には、授業内容を理解して指定した演習問題を自力で解けるように自学自習が必要となる。授業内容の理解のためにグループワークを適宜実施し、その成果を成績に反映させる。なお、授業の進行度合いに応じて、授業計画を変更することがある。 | ||||||||
【授業計画】 | 【授業項目】 | 【内 容】 | ||||||
1 回 | ガイダンス、せん断力と曲げモーメント(片持梁、両端支持梁) | 材料力学の位置づけや目的を再確認する。片持梁と両端支持梁の考え方について理解する。 | ||||||
2 回 | せん断力と曲げモーメント(両端支持梁、単純梁) | 集中モーメントが作用する場合の両端支持梁の考え方について理解する。集中荷重と等分布荷重が作用する場合の単純梁(2点支持梁)の取り扱いについて理解する。 | ||||||
3 回 | せん断力と曲げモーメントの復習 | これまでに学習した梁の反力、せん断力、曲げモーメントを復習する。 | ||||||
4 回 | RQMテスト 重ね合せの原理 |
代表的な10通りの梁について、反力、せん断力、曲げモーメント、SFD、BMDの試験をする。全員が80点をクリアすることを目標とする。練習問題を通して重ね合せを理解する。 | ||||||
5 回 | せん断力と曲げモーメントの関係 | 曲げモーメントを微分した値がせん断力であることを理解し、せん断力が0の位置で曲げモーメントが最大値をもつことを理解する。 | ||||||
6 回 | 曲げ応力の基礎式、梁全体の応力分布状態 | 曲げ応力の基礎式を導き、その意味するところを梁全体の応力分布状態を描くことで、確実に理解する。 | ||||||
7 回 | 断面二次モーメント、断面係数、曲げ応力 | 基本的な形状(長方形と円形)の断面係数が与えられたとき、いくつかの具体例を通して生じる曲げ応力を求める。 | ||||||
8 回 | 断面二次モーメント(上下対象形状)、断面二次極モーメント、重ね合わせの原理 | 断面二次モーメント、断面二次極モーメントの定義を用い、代表的な値を求める。断面二次モーメントに関する重ね合わせの原理も理解する。 | ||||||
9 回 | 中間試験 | 梁のせん断力や曲げモーメントに関する応用問題(含基本問題)が解けるか。梁全体に生じる曲げ応力分布が理解できているか、簡単な曲げ応力が求めれるか確認する。 | ||||||
10 回 | 中間試験の解答。曲げ応力、上下対称形状への応用 | 中間試験の解答。上下対称形状の梁について、曲げ応力を求めたり、逆に許される梁の形状や長さ、荷重を求めるなど、曲げに関する式を自在に使いこなせるようにする。 | ||||||
11 回 | 図心と平行軸の定理 | 断面一次モーメントを用いた図心の求め方、ならびに断面二次モーメントに関する平行軸の定理を理解し、使えるようにする。 | ||||||
12 回 | 断面二次モーメント(上下不対称形状) | 上下が不対称な形状まわりの断面二次モーメントをいくつか求め、それを求める一連の手順を確実に理解する。 | ||||||
13 回 | 曲げに強い断面形状(断面係数の比較) | 曲げに強い形状が断面係数の比較により判定できることを再確認し、正方形と同じ断面積をもつさまざまな形状について比較し、その特徴を把握する。 | ||||||
14 回 | 曲げに強い断面形状(最適形状の求め方) | 曲げに弱い形状を分析することにより、とがった先端を削れば強くなることを理解し、曲げに強い最適形状の求め方を理解し、その特徴を再度確実に理解する。 | ||||||
期末試験 | 上下対称形状をした梁の曲げ応力問題が自在に解けるか。上下不対称形状の曲げ応力を求める問題により、曲げに強い形状と一連の内容が理解できているかどうかを確認する。 | |||||||
15 回 | 答案返却など | 前期末試験の答案を返却し、解答。曲げ応力に関する総復習。 | ||||||
16 回 | たわみ曲線(基礎式) | たわみの基礎式の導出過程を確実に理解し、曲げの全貌を把握する。 | ||||||
17 回 | たわみ曲線(片持梁) | 片持梁の例題を通し、たわみの基礎式の使い方を理解し、たわみ曲線の意味するところを確実に理解する。 | ||||||
18 回 | たわみ曲線(両端支持梁) | たわみ曲線の構成が異なる二つの両端支持梁に適用し、境界条件の求め方をそれぞれ理解する。 | ||||||
19 回 | たわみ曲線(傾きを生じる梁) | 剛体あるいは無負荷状態において傾きを生じる場合のたわみの求め方について理解する。 | ||||||
20 回 | ラーメン | L形フレームを通し、曲げを受けるラーメンの取り扱い方を修得し、先端のたわみの求め方を理解する。 | ||||||
21 回 | 平等強さの梁 | 梁の最外層で曲げ応力が等しくなる形状の求め方、またその場合の最大たわみの求め方を確実に理解する。 | ||||||
22 回 | 静定梁のたわみの総復習 | これまでに学習した静定梁のたわみについて復習する。 | ||||||
23 回 | 中間試験 | 静定梁について、たわみ問題や平等強さの梁が解けるか確認する。 | ||||||
24 回 | 中間試験の解答、不静定梁(一端固定他端支持梁) | 中間試験の解答。一端固定他端支持の不静定梁について、せん断力、曲げモーメント、SFD、BMDとたわみの求め方を理解する。 | ||||||
25 回 | 不静定梁(両端固定梁) | 両端固定梁について未知反力を求め、曲げの各種値を得る方法を理解する。 | ||||||
26 回 | ねじり(基礎式、中実丸棒と中空丸棒の比較) | ねじりの基礎式の導出過程を学び、その過程と結果が曲げと類似の現象であることを確実に理解する。また、中実丸棒と中空丸棒を比較し、中空丸棒がねじりに対しても強いことを理解する。 | ||||||
27 回 | ねじり(動力伝達軸、両端固定棒) | 動力伝達軸において馬力やトルクや回転数の相互関係を理解し、ねじり応力との関係を熟知する。 | ||||||
28 回 | ねじり(延性材料と脆性材料の破壊形態の比較) | 延性材料をねじると軸に対し垂直に破壊するのに対し、脆性材料をねじるとらせん状に破壊する理由について理解する。 | ||||||
29 回 | 長柱の座屈(Eulerの式) | 曲げの式からEulerの式を導出し、両端の拘束条件により座屈荷重にかかる定数の変化を理解する。 | ||||||
期末試験 | 不静定梁の基本的な問題、ねじりに関する問題、座屈の基本問題が解けるか確認する。 | |||||||
30 回 | 答案返却など | 期末試験の解答。まとめ。 | ||||||
【到達目標】 | 曲げでは曲げ応力、たわみと平等強さの梁、ねじりでは代表的な問題、座屈ではEulerの式の理解をもって到達レベルを推測する。60%の得点をもって最低の到達レベルとする。 | 【徳山高専学習・教育目標】 | C1 | 【JABEE基準】 | 1(2)d-1 | |||
【評価法】 | 前期末と後期末の総合評価の平均を学年末評価とする。 前期末と後期末の総合評価は、試験の評価(90%)とグループワークの評価(10%)により行う。 前期末の試験の評価は、中間と期末の試験成績の平均(90%)とRQMテスト(10%)により行う。 後期末の試験の評価は、中間と期末の試験成績の平均により行う。 グループワークの評価は、グループワークの取り組み姿勢と各試験におけるグループの平均点で評価する。 最終評価=(前期末総合評価+後期末総合評価)/2 前期末総合評価=(((中間試験成績+期末試験成績)/2)×0.9+RQMテスト(10点満点))×0.9+グループワークの評価(10点満点) 後期末総合評価=((中間試験成績+期末試験成績)/2)×0.9+グループワークの評価(10点満点) | |||||||
【テキスト】 | 中原一郎:「実践材料力学」(養賢堂) 参 考 書:図書館に各種あり | |||||||
【関連科目】 | 本 科:数学、物理、工業力学、材料力学I、弾塑性論、材料学I、材料学II、機械設計論I、 機械設計論II、計算力学、有限要素法 専攻科:弾性力学、材料強度学、材料設計工学、CAE |