本科 | 選択・必修 | 開設時期 | 単位数 | 授業形態 | 担 当 | |||
情報電子 | 必修 | 4年 | 2 | 講義 | 杉村敦彦 | |||
【授業の概要】 電界や磁界に関わる諸現象を、物理的数学的にとらえることによりその本質を理解する。電磁気学は交流理論と並ぶ電気系の重要な科目であり、その内容は確立されている。モータの原理をはじめとし、身の回りの現象の多くは電磁的現象として理解できる。 | ||||||||
【授業の進め方】 教科書を用いた講義を中心に授業を進める。数学的な記法を多く用いるため、微分や積分、およびベクトル解析などの数学的基礎を必要とする。また、適宜、問題演習も行う。なお、授業の理解を高めるために予習復習が必須である。 | ||||||||
【授業計画】 | 【授業項目】 | 【内 容】 | ||||||
1 回 | オリエンテーション 電荷と力 |
講義の概要説明。 クーロンの法則と電界の定義 |
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2 回 | 電界 スカラとベクトル |
複数個の点電荷による電界について理解する。 ベクトルの和と差、および内積や外積について理解する。 |
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3 回 | ベクトル関数の微分 | ベクトル関数の微分(導関数)、位置ベクトル(動径ベクトル)、微分演算子について理解する。 | ||||||
4 回 | ベクトル関数の積分 電気力線と電界の強さ |
線積分、周回積分、面積分、体積分について理解する。 電気力線の密度と電界の強さについて理解する。 |
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5 回 | ガウスの法則(積分形) | 電束と電束密度、ガウスの法則(積分形)について理解する。立体角についても理解する。 | ||||||
6 回 | ガウスの法則(微分形) | ベクトル界の発散とガウスの法則(微分形)について理解する。 | ||||||
7 回 | 各座標系 | 直角座標系・円筒座標系・球座標系における座標・ベクトル成分・基本ベクトルや線分要素・面積要素・体積要素について理解する。 | ||||||
8 回 | 電位 | 電位の定義と電位差について理解する。 | ||||||
9 回 | 中間試験 | 電荷と電界、電位に関する理解度を確認する。 | ||||||
10 回 | 電位の勾配 | 前期中間試験の解答と解説。 電位の勾配と電界の強さの関係や電気力線と等電位面の関係について理解する。 |
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11 回 | ベクトルの回転とストークスの定理 | ベクトルの回転とストークスの定理について理解する。 静電界の保存性(積分形)と、静電界のラプラスとポアソンの方程式について理解する。 |
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12 回 | 電界(1) | 電気双極子、一様に帯電した球の電界や電位について理解する。 | ||||||
13 回 | 電界(2) | 表面に一様に帯電した球、一様に帯電した無限円筒、一様に帯電した無限平面による電界や電位について理解する。 | ||||||
14 回 | 電界(3) 静電容量(1) |
各電界に関する演習を行う。 導体の電荷分布と電界について理解する。 |
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期末試験 | 電界、静電容量に関する理解度を確認する。 | |||||||
15 回 | 答案返却など | 前期末試験の解答と解説。 |
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16 回 | 静電容量(2) | 導体表面に働く力や、球、同心球間、平行平板間、平行導線間の静電容量について理解する。 | ||||||
17 回 | 静電容量(3) | 電位係数と容量係数や、静電遮へいについて理解する。 | ||||||
18 回 | 電気影像法 | 電気影像法、コンデンサの接続、静電容量に蓄えられるエネルギー、電界に蓄えられるエネルギー密度を理解する。 | ||||||
19 回 | 静電容量(4) 誘電体(1) |
静電容量に関する演習を行う。 誘電体の分極について理解する。 |
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20 回 | 誘電体(2) | 誘電体中の電界や電束密度について理解する。 | ||||||
21 回 | 誘電体(3) | 誘電体中の電荷間に働く電気力や2種類の誘電体の境界面におけるDとEについて理解する。 | ||||||
22 回 | 誘電体(4) 電流と抵抗 |
誘電体中に蓄えられるエネルギーや誘電体を満たした平行平板コンデンサの電極間に働く力について理解する。 電流と抵抗について理解する。 |
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23 回 | 中間試験 | 静電容量や誘電体に関する理解度を確認する。 | ||||||
24 回 | 磁界(1) | 後期中間試験の解答と解説。 磁気現象、アンペアの右ねじの法則、ビオ・サバールの法則について理解する。 |
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25 回 | 磁界(2) | 無限長線状電流による磁界や、円形電流による磁界について理解する。 | ||||||
26 回 | 磁界(3) | 無限長ソレノイドの磁界やアンペア周回積分の法則(積分形)、静磁界ベクトルの回転の式(微分形)について理解する。 | ||||||
27 回 | 磁界(4) | 磁界のスカラ・ポテンシャルとベクトル・ポテンシャルについて理解する。 | ||||||
28 回 | 磁界(5) | 磁界中の電流の受ける力や平等磁界中におかれた長方形コイルに働く力、平行導線の電流間に働く電磁力と電流の単位、ホール効果や電磁力による仕事について理解する。 | ||||||
29 回 | 電磁誘導 | ファラデーの法則、交流の発生、磁界中を運動する導体に生じる起電力、電気・機械エネルギー変換、渦電流について理解する。 | ||||||
期末試験 | 磁界や電磁誘導に関する理解度を確認する。 | |||||||
30 回 | 答案返却など | 後期末試験の解答と解説を行う。 | ||||||
【到達目標】 | 電荷と電磁場の相互作用として電磁気現象を理解し、それらを応用する機器を設計するための基礎知識を身につける。 | 【徳山高専学習・教育目標】 | A1 | 【JABEE基準】 | 1(2)d-1,2.1(1)C | |||
【評価法】 | 定期試験の平均を基本とする。なお、半期ごとに追試験を行う場合がある。 | |||||||
【テキスト】 | 山口 昌一郎 著 「基礎電磁気学 改訂版」 電気学会 | |||||||
【関連科目】 | 基礎電気回路(1年)、電気回路(2年)、計測工学(3年)、物理II(3年) |