コンピュータシステム実験(Computer Engineering Laboratory)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
情報電子必修4年4実験新田貴之 柳澤秀明
【授業の概要】
半期単位の大実験方式で、もの作りを通してコンピュータシステムの動きを体得させる。後期実験については、実験で利用するボードマイコンを変更する可能性があり、システム変更については、後期のガイダンスで説明する。
【授業の進め方】
前期:実験のはじめに設計方法の解説を行い、実装できた時点で動作確認する。
後期:各テーマの前半は十分な講義を行い、実現に必要な技術を解説する。テーマの中盤は各自が実現方法を考えシステムの設計を行う。
各回の実験は240分で行う。ただし、時間割で実施日の最終時間に割り振りができなかった場合は、別に授業を行い時間を確保する。
自学自習については、知識を積み上げる方式で行うため、実験が完了しない者は、時間外に完了させ、次回の授業までに追いつく必要がある。また、課題の検討やレポートの作成のために、予習・復習を要する。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 ガイダンス 前期の実験内容について、ガイダンスをする。
2 回 FPGAとVHDLによる回路設計 FPGAの仕組みについて解説し、VHDLを使用したFPGAの回路設計の概要を講義する。
3 回 VHDLの記述 VHDLの基本的な記述方法について講義する。
4 回 開発システムの使用方法 開発システムの使用方法を講義した後、実際に簡単なVHDL記述から回路を作成する演習を行う。
5 回 回路設計(1) マルチプレクサ、デコーダ、エンコーダを実装する。
6 回 回路設計(2) 各種のカウンタを実装する。
7 回 回路設計(3) 7セグメントデコーダを実装する。
8 回 回路設計(4) 60秒時計を実装する。
9 回 回路設計(5) ALUを実装する。
10 回 回路設計(6) ステートマシンを実装する。
11 回 プロセッサの設計(1) プロセッサの仕様にもとづいて回路構成図、評価プログラムを作成する。
12 回 プロセッサの設計(2) 命令フェッチサイクルを実装する。
13 回 プロセッサの設計(3) 命令実行サイクルを設計し、基本機能を持ったプロセッサを実装する。
14 回 プロセッサの設計(4) 命令と機能を追加したプロセッサを実装する。
15 回 発表会 実装したプロセッサのデモを行う。
16 回 ガイダンス 後期の実験で作成するデジタル時計と、時計の核になるH8マイコンを紹介する。
17 回 マイコンの動作を知る クロス開発環境について学習した後、ランプを点滅させる例題プログラムを活用する。
18 回 マイコン内蔵デバイスを使う タイマを用いた割込プログラミングを体得する。
19 回 実行するための技術的な背景(導入) 計算機資源(リソース)についての初歩を学ぶ。
20 回 実行するための技術的な背景(メモリ関連) リンカやライブラリの動作を体得する。
21 回 実行するための技術的な背景(メモリ関連) 同上。
22 回 実行するための技術的な背景(CPU時間) CPU時間について知り、リアルタイムとは何かを学修する。
23 回 実行するための技術的な背景(CPU時間) 同上。
24 回 サポートルーチン(1) 教員が作成したサポートルーチンの機能を学習し、これを使用する簡単なプログラムを作成する。
25 回 サポートルーチン(2) 教員が作成したサポートルーチンを使用して、スピーカとLCDなどを制御してみる。その後、次回から作成するデジタル時計の仕様を決定する。
26 回 プログラム作成(1) 前回、自分が決めた仕様に従いプログラムを作成する。
27 回 プログラム作成(2) 同上
28 回 プログラム作成(3) 同上
29 回 発表会準備 作成した時計プログラムについて発表の準備をする。
30 回 発表会 作成した時計プログラムについて発表する。
【到達目標】ハードウエアとソフトウエアの関連を的確に理解し、実装上のトレードオフを考えることができるようになる。
【徳山高専学習・教育目標】B1【JABEE基準】1(2)d-2
【評価法】学年末評価=(前期評価+後期評価)/2
前期評価=テーマ実験(動作確認・レポート;60点)+プロセッサの設計(デモ・レポート;40点)
後期評価=発表評価点(25点満点)+作品提出点(25点満点)+作品評価点(50点満点)
【テキスト】コンピュータシステム実験指導書
【関連科目】電子工学実験(3年)、情報システム実験(5年)