本科 | 選択・必修 | 開設時期 | 単位数 | 授業形態 | 担 当 | |||
情報電子 | 必修 | 4年後 | 1 | 講義 | 重村哲至 | |||
【授業の概要】 5年のオペレーティングシステムIIと併せて1年間でオペレーティングシステムの核技術をその基本概念をもふまえながら学習する。この核技術は基本的にはコンピュータの各種の資源、すなわち、CPU、主記憶、入出力制御機器、入出力機器などを多数のユーザで効率よく、かつ矛盾なく使用することと、ファイルに代表される情報を、矛盾なく共有するための技術であり、並列処理とその制御が基本となっている。 | ||||||||
【授業の進め方】 座学講義が主体である。講義では教科書の内容を紹介するに留まる場合も多い。教科書を使用した予習復習が必須である。 | ||||||||
【授業計画】 | 【授業項目】 | 【内 容】 | ||||||
1 回 | オペレーティングシステムの役割 | オペレーティングシステムの歴史を辿りながら、目的と構成、コンピュータの処理形態などについて学ぶ。 | ||||||
2 回 | CPUスケジューリング(1) | プロセスの状態、プロセスの切り換え方式について学ぶ。 | ||||||
3 回 | CPUスケジューリング(2) | オペレーティングシステムの構造と、プロセス切り換え機構について概要を学ぶ。 | ||||||
4 回 | CPUスケジューリング(3) | プロセス切り換え機構の詳細について、割り込み機構、プロセス制御ブロック、ディスパッチャ等について学ぶ。 | ||||||
5 回 | CPUスケジューリング(4) | スケジューリング方式の、性能評価基準として応答時間、スループットに着目しながらいくつかのスケジューリング方式を比較する。 | ||||||
6 回 | CPUスケジューリング(5) | 前回に引き続きいくつかのスケジューリング方式の比較を行う。 |
||||||
7 回 | CPUスケジューリング(6) | 4.4 BSD Unixにおける具体的なスケジューリングを紹介し、スケジューリング方式の理解を深める。 | ||||||
8 回 | 中間試験 | CPUスケジューリングまでのこれまでに学んできた内容についての理解度を試験する。 | ||||||
9 回 | 並行プロセス(1) | 一般的な排他制御の基礎として、プロセスの競合、協調、及び干渉について学ぶ。 | ||||||
10 回 | 並行プロセス(2) | 割り込み禁止、Dekker のアルゴリズム、スピンロック等を用いた低レベルの排他制御方式について学ぶ。 | ||||||
11 回 | 並行プロセス(3) | セマフォアおよびP命令、V命令について学ぶ。その機構を使って基本的なプロセスの統合問題の解を考える。また、P命令、V命令の実現方法について概略を学ぶ。 | ||||||
12 回 | 並行プロセス(4) | シーケンサとイベントカウントを用いて基本的なプロセス統合の解を考える。また、プロセス間メッセージ通信機構について紹介する。 | ||||||
13 回 | 並行プロセス(5) | OR条件、AND条件を必要とするプロセス統合問題について学ぶ。 | ||||||
14 回 | コンカーレントプログラミング | モニタ機構を用いた基本的なプロセスの統合問題の解について学ぶ。 | ||||||
期末試験 | 中間試験以降に学んだ内容についての理解度を試験する。 | |||||||
15 回 | 答案返却など | 期末試験の解答を行い、試験結果から必要な箇所の復習を行う。 | ||||||
【到達目標】 | オペレーティングシステムの目的を把握し、プロセス、並行プロセス、CPUのスケジューリング、排他制御および同期機構などの概念および実装方式を理解し、オペレーティングシステムにおける並列処理の機構を理解する。 | 【徳山高専学習・教育目標】 | C1 | 【JABEE基準】 | 1(2)d-1 | |||
【評価法】 | 2回の定期試験の平均点 | |||||||
【テキスト】 | 教科書:前川守「オペレーティングシステム」岩波書店 参考書:タネンバウム「モダンオペレーティングシステム」株ピアソン・エデュケーション 参考書:大澤範高「オペレーティングシステム」コロナ社 参考書:野口健一朗「オペレーティングシステム」オーム社 参考書:柴山潔「オペレーティングシステム」近代科学社 | |||||||
【関連科目】 | 本科:オペレーティングシステムII(5年)、システムプログラミングI(3年)、システムプログラミングII(4年)、コンピュータアーキテクチャ(4年) 専攻科:コンピュータ構成学(2年) |