有限要素法(Finite Element Method)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
機械電気選択5年後1講義西村太志 福田明
【授業の概要】
有限要素法は現代の科学技術を支える有力な武器となってきたが、コンピュータの急速な発達により、誰でもマイコンで手軽に利用できるほど身近なものになってきた。そこで、ここでは、まず有限要素法を“ツール”として使いこなすことができるようになることをめざしている。
【授業の進め方】
前半では準備されたメニューにしたがってソフトを走らせ、データの作成方法に関するノウハウを身につけるとともに、そうしなければならない理由について計算結果をもとに理解を深める。またその知識を確実なものにするため後半では自由課題に取り組む。そのためには講義内容を確実に理解し、使いこなすことが不可欠であり、十分な復習が必要とされる。自由課題では、時間外の取り組みが当然必要となる。
【授業計画】
【年間スケジュール】
 第1回 オリエンテーション
 第2回 有限要素法とは何かその有用性
 第3回 SolidWorks Simulationの使用練習、演習1 集中荷重を受ける片持梁
 第4回 演習2 穴あきプレートの引張り
 第5回 演習3 いろいろな片持梁の問題
 第6回 演習4 いろいろな両端支持梁の問題
 第7回 演習5 クランクハンドルの解析
 第8回 自由課題(要素分割、データの入力)
 第9回 自由課題(計算)
 第10回 自由課題(結果の吟味)
 第11回 自由課題(最適形状の検討)
 第12回 自由課題(まとめ)
 第13回 発表会1
 第14回 発表会2
 第15回 自由課題提出(プレゼンテーション)
 第16回 講評会

○自由課題について
目 的
  有限要素法で学んだ知識を確実なものにすることを第1の目的とし、併せてこれまで学んできた材料力
学、計算力学、機械設計論などの知識をより確かなものにし、総合的なまとめ方についての能力の訓練も
併せて行うことを目的とする。
課題内容
  1.4年次に設計製図IIで設計した手巻きウインチのハンドルの最適設計を行う。
  2.設計条件は第8回目の授業で提示する。
  3.得た解が真の値のよい近似を与えていることを何らかの形で証明する(理論値との比較など)。
まとめ方
  1.解析形状をわかりやすく示すこと。
  2.要素分割図を示すこと。
  3.得られた解を示す。このとき、目的に応じて解の示し方を工夫すること。
  4.解析結果を踏まえた設計変更箇所を記載すること。
  5.得られた解の信頼度や従来知られている解との比較を行うなど、得られた解について考察すること。
まとめる上での留意点
  1.冗長なものはいけない。 コンパクトに要点がまとめられていること。
  2.分割図、解析結果は必ず示し、考察を行った図はExcel、Ngraphなどで描くこと。
【到達目標】有限要素法の原理を理解し、ツールとして使いこなせるようになることが到達目標である。
【徳山高専学習・教育目標】B1【JABEE基準】1(2)d-1
【評価法】評価は次の割合で行う。
 *演習で提出された課題:50%
 *最終プレゼンテーション:10%
 *レポート:20%
 *解析結果による順位(設計条件を満足するもので重量が軽いものから順位付けする):20%
【テキスト】参考図書:三好俊郎「有限要素法入門(改訂版)」(培風館)
【関連科目】本科 :材料力学I、材料力学II、計算力学、機械設計論I、機械設計論II、設計製図I、設計製図II
専攻科:CAE