情報電子工学専攻総合演習(Practice of Computer Science and Electronics)
専攻選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
情報電子必修2年2演習古賀崇了 力規晃 藤本竜也
【授業の概要】
情報電子工学科および情報電子工学専攻におけるキャップストーン演習として、専攻科1年次の総合実験で作成するマイクロプロセッサの拡張版CPUを持つ演習用コンピュータ(Tokuyama Advanced Computer: TaC)を用いて、MP3プレイヤーの企画・設計・制作を行う。具体的には、TaC上で動作する簡素なリアルタイム・マルチタスクOSの内部設計および実装を理解し、このOS上で動作するアプリケーションソフトウェアの企画・設計と実装を行う。特に設計では、統一モデリング言語(Unified Modeling Language: UML)を用いたオブジェクト指向分析・設計手法を活用することに重点を置く。この演習によって、組み込み機器制御システムの企画から設計・製作までの開発工程をチームとして実践し、総合的なエンジニアデザイン能力を養成する。

【学修の進め方】
演習課題の理解と調査、原要求からの要求抽出と仕様作成、中間プレゼンテーション、製作、動作確認、成果報告書の作成、成果報告(最終プレゼンテーション)の一連の作業をチーム単位で学生が自主的・継続的に進める。なお、本演習ではUMLによる設計と実機を使った製作および動作確認を行うため、UMLによる設計法の概要と基本的なチャートについて、ハードウェアとOSの基本的な仕様については最初の数回で講義を行う。その後のチームによる課題遂行に付随して発生する調査、仕様作成、成果報告書等の作成については、各自で授業時間外で実施する。また、演習各回において、進捗を報告する「演習実施報告書」の提出を求める。演習終了後は、本演習に係る内容を総合的にまとめた成果報告書を担当教員に提出する必要がある。
【授業計画】
第1回 演習のオリエンテーションと演習課題の説明
第2〜3回 原要求からの要求抽出、UMLを用いた分析・設計方法と各種チャートの説明と演習
第4〜5回 実験用コンピュータおよびオペレーティングシステムの説明と演習
第6回〜第7回 製品企画および外部仕様のプレゼンテーション
第8回〜第11回 内部仕様の分析・設計
第10回〜第14回 実装と動作および要求充足度の確認
第15回 成果報告プレゼンテーション(終了後、成果報告書の提出を求める)
(※上記計画は、授業時間4時間分を1回分として表記している。)
【到達目標】演習課題の目的を達成し、ハードウェアからソフトウェアまでの幅広い分野を網羅する情報電子工学の実践的適用手法とそれを生かした製品デザインの能力を身に付ける。併せて、成果を得るまでの過程を通じて、与えられた演習課題の大枠の中で、自ら自立して課題を調査分析し、企画・設計したものを期限内に終わらせる能力、多様な観点に基づく問題解決能力、チームワーク力を養う。さらに、ものづくりに対する理解と見識を深める。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)d-3,e,g,i
【評価法】JABEEの学習教育到達度目標における、「専門工学(30%)」、「問題解決能力(5%)」、「デザイン能力(45%)」、「自主性・継続性(10%)」、「チームワーク(10%)」の観点から、成果物、プレゼンテーション、実施報告書、最終報告書等を基にした総合的評価を行う。評価の主な観点については、演習開始時のオリエンテーションで配布するルーブリックに示す。
【テキスト】テキスト:株式会社テクノロジックアート「独習UML」翔泳社
その他、教員が作成した資料をを適宜配布する。
【関連科目】情報電子工学科・情報電子工学専攻で学んだ全ての科目に関連する。