情報数学(Mathematics for Computer Science)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
情報電子必修3年2講義奥本 幸
【授業の概要】
コンピュータサイエンスに必要となる数学的な概念、記法、論法の基礎を学ぶ。
数学的な記号や図を用いて、考えていることを記述し、直観的なイメージを得たり、論理的に分析したり、説明する技法を身につける。それらの数学的な技法を電子情報通信分野の具体的な話題と関連させ、より理解を深める。
【授業の進め方】
講義は座学と演習からなる。授業及び演習は教科書及び配布する資料を用いて進める。
座学で学習項目を学んだ後、より理解を深めるために演習だけの時間を設ける。演習は順に割り当て、板書による解答を行ってもらい、それを添削・解説する。演習で使う学習シートを事前にレポートとして課す。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 オリエンテーション
離散集合
シラバスを用いて、授業の目的や進め方について説明する。集合の復習を行う。また、新たに対応と直積について学ぶ。(学習シート1)
2 回 関係(1) 関係とは何か、関係の合成、逆関係について学ぶ。
3 回 関係(2) 関係の表現方法について学ぶ。
4 回 関係(3) 同値関係について学ぶ。
5 回 演習 離散関係に関する演習を行う。
(学習シート2)
6 回 写像(1) 写像の定義、部分写像、逆写像、写像の合成について学ぶ。
7 回 写像(2) 写像の性質(単射、全射)について学ぶ。
8 回 演習 写像に関する演習を行う。(学習シート3)。
9 回 中間試験
これまでに学んだことの理解度を問う。
10 回 答案返却
代数系の基本
中間試験の解説を行う
2項演算と代数系、単位元、逆元について学ぶ。
11 回 有限順序集合 半順序と全順序、ハッセ図について学ぶ。
12 回 演習 中間試験以後の学習内容の理解を深めるために、演習を行う。(学習シート4)
13 回 論理と証明 いろいろな証明法、背理法について学ぶ。
14 回 演習 証明に関する演習を行う。(学習シート5)
期末試験 前期中間試験以後の学習内容の理解度を確認する。
15 回 答案返却など 答案を返却し、解説を行う。
16 回 帰納法と再帰 数学的帰納法、再帰的定義の性質について学ぶ。
17 回 演習 帰納法についての演習問題を解く。(学習シート6)
18 回 グラフ理論(1) グラフの定義、単純グラフ、多重グラフ、隣接行列について学ぶ。
19 回 グラフ理論(2) グラフの連結性、周遊可能性について学ぶ。
20 回 グラフ理論(3) 最短経路を求めるアルゴリズム(ダイクストラ法)を学ぶ。
21 回 グラフ理論(4) いろいろなグラフについて学ぶ。
22 回 演習 グラフ理論(1)〜(4)について理解度を自己チェックする。(学習シート7)
23 回 中間試験 後期に学んだことの理解度を問う。
24 回 答案返却
中間試験の解説を行う。
25 回 グラフ理論(5) グラフの頂点彩色について学ぶ。
26 回 グラフ理論(6) 平面グラフ、領域彩色について学ぶ。
27 回 グラフ理論(7) 木の性質、全域木、最小全域木について学ぶ。
28 回 グラフ理論(8) ネットワークフローについて学ぶ。
29 回 演習 グラフ理論(5)〜(8)についての理解度を自己チェックする。 (学習シート8)
期末試験 後期中間試験以後の学習内容について、理解度を確認する。
30 回 答案返却など 答案を返却し、解説を行う。
【到達目標】集合における関係と写像について理解し、論理的な考え方に役立てることができる。
いろいろな証明法を用いて問題を証明できる。
基本的な数学論法(背理法、帰納法)が使える。
問題を解決するために、グラフを活用できる。
【徳山高専学習・教育目標】A1【JABEE基準】
【評価法】最終成績は、4回の定期試験の平均(90%)とレポート(10%)で評価する。
学習シートにより提出するレポートは、次の演習で使うため、正解/不正解でなく、提出したことを評価する。欠席等で期限内に提出できない場合も、できるだけ早く提出すること。
【テキスト】「やさしく学べる離散数学」 石村園子著 共立出版
【関連科目】集合と論理(2年)、数学IIB(2年)