本科 | 選択・必修 | 開設時期 | 単位数 | 授業形態 | 担 当 | |||
情報電子 | 必修 | 4年 | 2 | 講義 | 義永常宏 | |||
【授業の概要】 情報技術の基盤の一つであるデータベース技術について、現在、主流となっているリレーショナルデータベースを中心に学習する。データベースシステムの内容は多岐・広範に渡るため、そのすべてを網羅することはできないが、特に、後にデータベースを使う、あるいは、設計するという立場からの必要となる基本・基礎事項を中心に学んでいく。 | ||||||||
【授業の進め方】 理解を助けるために、適宜、学習シートを配布する。その内容は、授業で併用する重要事項のまとめや自学・自主用の演習問題などである。なお、本内容を確実に定着させるためには、予習・復習が必須である。 | ||||||||
【授業計画】 | 【授業項目】 | 【内 容】 | ||||||
1 回 | データベースの基本概念(1) データベースとは何か |
データベースとは何か及びデータベースシステムにおけるデータ管理について学ぶ。 | ||||||
2 回 | データベースの基本概念(2) データベース管理システム |
データを管理・運用するためのソフトウェアであるデータベース管理システムの主機能について学ぶ。 | ||||||
3 回 | データベースの基本概念(3) スキーマとインスタンス |
データモデルにおけるスキーマとインスタンスについて学習する。 | ||||||
4 回 | リレーショナルデータモデル(1) データモデルとデータ構造 |
代表的なデータモデルを概説した後、現在、主流であるリレーショナルデータモデルについて説明する。特に、このモデルには、3年の「情報数学」での“関係(リレーション)”の概念が用いられていることに注意して欲しい。 | ||||||
5 回 | リレーショナルデータモデル(2) 整合性制約 |
リレーショナルデータモデルにおける整合性制約について学ぶ。特に、“キー”の正しい理解が必要である。 | ||||||
6 回 | リレーショナル代数(1) 集合演算 |
リレーショナル代数の説明の後、その中の集合演算について学ぶ。 | ||||||
7 回 | リレーショナル代数(2) 関係演算・関係完備 |
前回に続き、リレーショナル代数特有の関係演算について学んだ後、リレーショナル代数式及びリレーショナル完備について説明する。 | ||||||
8 回 | SQL(1)基本概念、データ定義 | データベース言語SQLの基本概念について述べ、さらに、SQLによるスキーマ定義について説明する。 | ||||||
9 回 | 前期中間試験 | 第1〜7回についての理解をチェックする。 | ||||||
10 回 | 前期中間試験の解説及び SQL(2)問合せの基本形 |
試験問題の解説の後、SQLにおける問合せの基本形について学ぶ。 | ||||||
11 回 | SQL(3)集計関数・副問合せ | 集計関数を用いた問合せ及び副問合せについて学ぶ。 | ||||||
12 回 | SQL(4)副問合せ・集合演算 | 前回の続きとしての副問合せ及び集合演算について学習する。 | ||||||
13 回 | SQL(5)データ更新・ビュー | SQLにおけるデータ更新及びビューの概念とビューの更新問題について学習する。 | ||||||
14 回 | SQL(6)埋め込みSQL | 埋め込みSQLについて学ぶ。 | ||||||
期末試験 | 第8、10〜14回についての理解をチェックする。 | |||||||
15 回 | 答案返却など | 前期末試験の解説を行う。 | ||||||
16 回 | データベース設計論(1) 実体関連モデル |
データベース設計の概略とその概念設計によく用いられる実体関連モデルについて解説する。 | ||||||
17 回 | データベース設計論(2) 実体関連モデル・論理設計 |
前回に続き、実体関連モデルについて学んだ後、データベース設計における論理設計について学ぶ。 | ||||||
18 回 | データベース設計論(3) 更新不整合・無損失分解結合 |
更新不整合の問題とこれを回避するための無損失結合分解について学ぶ。 | ||||||
19 回 | データベース設計論(4) 関数従属性 |
これから学ぶ高次正規化理論において、大変重要な意味を持つ関数従属性について定義する。 | ||||||
20 回 | データベース設計論(5) 分解 |
無損失結合分解可能であるための必要十分条件等について学習し、さらに従属性保存分解について学ぶ。 | ||||||
21 回 | データベース設計論(6) 正規形 |
最も基本である第3正規形について学び、その中間的存在である第2正規形について学ぶ。 | ||||||
22 回 | データベース設計論(7) 高次正規形 |
ボイス・コッド正規形について学び、さらに高次の正規形を紹介すると共に正規化の考え方についてまとめる。 | ||||||
23 回 | 後期中間試験 | 第16〜22回についての理解をチェックする。 | ||||||
24 回 | 後期中間試験の解説及び トランザクションの概念 |
後期中間試験問題を解説した後、データベースシステムにおいて重要な意味をもつトランザクションについて述べる。 | ||||||
25 回 | ACID特性 | トランザクション処理において保障されるべきACID特性及びトランザクションの各状態について説明する。 | ||||||
26 回 | データベースの障害回復(1) 障害の分類 |
データベースにおける障害の分類とバッファを介したディスクへの読み書きについて確認する。 | ||||||
27 回 | データベースの障害回復(2) 障害回復の基本・ログ |
データベースにおける障害回復の基本及びその回復によく用いられるログについて述べる。 | ||||||
28 回 | データベースの障害回復(3) ログ法 |
ログを用いた具体的な回復法について学習する。 | ||||||
29 回 | データベースの障害回復(4) チェックポイント法 メディア障害回復法 |
ログ法を効率よく実行するためのチェックポイント法およびメディア障害における回復法を学ぶ。 | ||||||
期末試験 | 第24〜29回についての理解度をチェックする。 | |||||||
30 回 | 答案返却など | 後期末試験問題の解説を行う。 | ||||||
【到達目標】 | 以下の正しい理解を到達目標とする:@リレーショナルデータベースにおける諸定義、Aリレーショナルデータモデルとリレーショナル代数、BSQLによる基本操作、C設計論の流れと正規化の基本、及びD障害回復の基本的考え方と手法。 | 【徳山高専学習・教育目標】 | C1 | 【JABEE基準】 | 1(2)d-1 | |||
【評価法】 | 4回の試験で評価する。即ち、学年末の成績=(前期中間+前期末+後期中間+後期末)/4。 | |||||||
【テキスト】 | 参考図書:データベースシステム(北川博之著)オーム社 データベースの基礎(永田武著)コロナ社 リレーショナルデータベース入門(増永良文著)サイエンス社 | |||||||
【関連科目】 | 本 科:集合と論理(2年)、情報数学(3年)、 専攻科:知識データベース(2年) |