測量学 I(Surveying)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
土木建築必修1年2講義佐賀孝徳
【授業の概要】
 測量学は、社会基盤の建設に携わる技術者には、必須で不可欠な技術を学ぶ教科である。計画、設計、施工という行程の中で、計画、設計段階での場所の測量から施工における測量など多く用いられる。そのため、5年次までに測量に関する科目(実習を含む)は、10単位ほど系統的に組み込まれており、1年ではその導入であり、その基礎を十分理解して欲しい。
【授業の進め方】
毎回の講義には、学習シートを用いて、その講義の目的(内容)を最初に示し、内容の理解度チェック項目をさまざま準備することで、理解度チェックを学生、教官双方向から可能とする。また、学生からの要望に対応できるようにする。必要に応じ測量機材の実習を理解度向上のために行う。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 土木建築の技術の位置付け
測量学の位置付け
土木建築に関わる技術者の仕事を学習する。また、測量学は、そこでどのようなことを行うのかを学ぶ。
2 回 測量の定義、作業
点の位置決定
測量の定義を理解し、次にその作業による分類と用語を学ぶ。点の位置決定を幾何学より学習する。
3 回 測量の分類、測量の基準 目的および器械による測量の分類を学ぶ。地球の回転楕円体の形状、数値から日本経緯度原点、日本測地系、世界測地系を学習する。
4 回 測量法、有効数字 測量に関する法規(測量士、測量士補他)を学ぶ。測量において重要である精度に関わる有効数字を学習する。
5 回 数値の丸め方、演習
有効数字の四則計算
JISで規定されている五捨五入を学ぶ。また、その演習を行う。有効数字の四則計算を学習する。
6 回 有効数字の計算演習 五捨五入、有効数字の四則計算を演習を用いて学習する。
7 回 再復習、距離測量の概要、 距離の定義、距離測量の分類、直接距離測量の方法、使用器具を学習する。
8 回 巻尺の公差と検定巻尺、巻尺の特性値 許容誤差をJIS検定の種類別に学ぶ。基準巻尺との差である特性値を用い、正確な距離を求める方法を学習する。
9 回 前期中間試験 測量の定義、点の位置決定、測量の分類、有効数字、有効数字の四則演算
10 回 直接距離測量の方法 平坦地、傾斜地における直接距離測量の方法を降測法、登測法別に学ぶ。
11 回 精密距離測量の概要と精度の表示方法
距離測量の誤差と補正方法(1)
精密距離測量の方法の概要を学び、精度の表示方法を学習する。誤差の種類を学びその補正方法を学習する。
12 回 距離測量の誤差とその補正方法(2) 前回に引き続き、誤差の種類とその補正方法を学ぶ。また、重ね合せの法則を学習する。
13 回 定誤差の種類とその補正方法のまとめと演習。 距離測量の定誤差の種類と補正方法についてまとめと演習を行う。
14 回 チェーン測量の概要と方法、野帳の記入方法 チェーン測量の概要とその具体的な方法について学習する。見取り図式、縦欄式それぞれの野帳記入方法を学習する。
期末試験 距離測量の方法、距離測量での誤差の補正方法。チェーン測量についての学習成果を確認する。
15 回 答案返却など 試験の解答・解説を行う。
16 回 水準測量の概要 水準測量の定義、分類、用語、機材を学習する。
17 回 レベルの基本構造、取り扱い方法(1) ワイレベルを用いてレベルの基本構造を学ぶ。取り扱い方法(内焦式望遠鏡、微動ねじ)を学習する。
18 回 レベルの取り扱い方法(2) 据付け方法、焦準方法、自動補償機構を学ぶ。
19 回 レベルの操作方法の実習 レベルの据付け方法、焦準方法、さらに、自動補償機構の補償範囲を学習する。
20 回 直接水準測量の方法、野帳の記入方法
水準測量の誤差とその消去方法
直接水準測量の方法を学ぶ。野帳の記入方法の種類、誤差の種類とその消去方法を学ぶ
21 回 野帳の記入方法(1)(2)と誤差の補正方法 昇降式の野帳の記入方法と誤差の補正方法を学ぶ。器高式の野帳の記入方法とその他の誤差の補正方法を学ぶ。
22 回 試験の再復習、交互水準測量の概要 試験の再復習、交互水準測量を行う方法、誤差の消去方法の原理について学習する。
23 回 後期中間試験 レベルに関する試験
24 回 角測量の概要 セオドライト(トランシット)を用いた角測量の概要(種類、セオドライトの機能)を学習する。
25 回 セオドライトの据付け方法
単測法と野帳の記入方法
求心・整準の方法を学習する。単測法の方法と野帳の記入方法を学ぶ。
26 回 倍角法と野帳の記入方法 倍角法の操作方法と野帳の記入方法を学習する。
27 回 方向法と野帳の記入方法 方向法の操作方法と野帳の記入方法を学習する。
28 回 角測量の実習 電子セオドライトを用いた角測量の方法の学習を行う。(セオドライトの据付け、倍角法、方向法)
29 回 機械誤差の種類と消去方法、総復習 セオドライトの機械誤差の種類と消去方法を学習する。角測量の総復習を行う。
期末試験 角測量を行うためにセオドライトが操作できるか、角測量の方法とデータ処理が出来るか確認するための出題。
30 回 答案返却など 試験問題の解答、解説を行う。
【到達目標】測量を修得する導入段階として、測量学に必要な有効数字、数値の丸め方、精度の計算、誤差の種類から、距離測量、水準測量、角測量を修得することを目標とする。
【徳山高専学習・教育目標】A1【JABEE基準】
【評価法】1)4回の試験結果を80%、学習シートを含めた学習履歴を20%で総合評価する。
2)学年末評価計算式
 最終評価点=(前期中間+前期末+後期中間+後期末+ポートフォリオ)/5
3)ポートフォリオの評価
 a学習シートの問題を理解し正確に解答している。また、課題、まとめ、試験のやり直しが正確に出来ている(100%)
 b学習シートは全てできているが、課題、試験のやり直しが出来ていない(50%)
 cどちらも出来ていない(評価に値しない)
【テキスト】堤 隆「測量学I」 コロナ社
参考教材 自動レベルB2取り扱い説明書、電子デジタルセオドライトDT500S型取り扱い説明書
【関連科目】測量学II(2年)、測量学III(4年)、測量学特論(5年)、測量実習(2年)、測量実習(3年)