熱機関(Heat Engine)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
機械電気必修5年前1講義池田光優
【授業の概要】
4年次で学んだ熱力学の基礎を用いて、熱エネルギを動力とする冷凍機、暖房機、熱機関に関する項目を数式を用いて理解する。そして、これからの機関で求められる性能などについて、自ら考えられる力を身につける。
【授業の進め方】
授業のはじめに、講義内で行う項目の説明を行い、その項目について60分程度の講義を行う。その後50分程度で解ける演習(学習シート)を行い、講義内で学んだ理論を実際の問題に結びつけられるようにする。また、その内容を確実に身につけるために教科書の章末問題を家庭でおこなうこととする。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 第1章 熱機関の分類
第2章 熱機関の動作
2.1往復型ピストン機関の作動
熱機関の分類、往復型ピストン機関の作動について理解する。(学習シート1)
2 回 2.2タービン形機関の作動
第3章 熱機関のサイクル
3.1 Otto サイクル
タービン形機関の動作、Ottoサイクルの熱効率について理解する。(学習シート2)
3 回 3.2 Diesel サイクル
3.3 Sabate サイクル
3.4 Brayton-Joule サイクル
Diesel,Sabate,Brayton-Jouleの各サイクルの熱効率について理解する。(学習シート3)
4 回 3.5 各サイクルの比較
これまでに学んだ(1)〜(3)のサイクルの熱効率を比較し比較することの意味を理解する。(学習シート4)
5 回 第4章 熱機関の性能解析1
4.1 図示出力と線図係数
4.2 正味出力と機械効率 
 
熱機関の性能解析を行う際に必要な項目について理解する。(学習シート5)
6 回 4.3 出力の測定
4.4 熱勘定
熱機関における出力の測定および算出について理解する。またこれらの項目を用いて熱勘定を考える。(学習シート6)
7 回 第5章 燃料 熱機関に主に用いられている燃料についてその性状などを理解する。(学習シート7)
8 回 中間試験 熱機関の分類に関する語句説明問題、各熱機関のサイクルや熱機関の性能解析に関する問題を主に出題する。授業中に実施することもある。
9 回 試験答案返却および解答 中間試験の採点済み解答の返却を行い、答え合わせを行う。
10 回 第6章 火花点火機関における燃焼
6.1 正常燃焼
6.2 火花ノッキング
火花点火機関における正常燃焼および異常燃焼を理解する。(学習シート8)
11 回 6.3 異常燃焼
6.4 異常燃焼の防止策
第7章 圧縮着火機関における燃焼
7.1 ディーゼル燃焼
7.2 噴霧
火花点火機関における異常燃焼の解決法について理解した後、圧縮着火機関における燃焼を理解する。(学習シート9)
12 回 7.3 ディーゼルノッキング
7.4 ディーゼルノッキングの防止策
圧縮着火機関におけるノッキング現象 (ディーゼルノック) について理解し、その解決法を理解する。(学習シート10)
13 回 第8章 熱機関における振動・騒音 熱機関において発生する振動・騒音をその加振源を基に分類し、 それぞれの現象の発生原理を理解する。(学習シート11)
14 回 第9章 熱機関における運動機構  熱機関における運動機構 (クランク機構やバルブ機構など ) について理解する。(学習シート12)
期末試験 それぞれの機関における燃焼に関する語句説明問題、熱機関の性能解析に関する計算問題、熱機関の振動・騒音や運動機構に関する問題、熱力学全体に関する計算問題。
15 回 答案返却など 期末試験の採点済み解答の返却を行い、答え合わせを行う。その後この1年半の熱力学の総括を行う。
【到達目標】現在用いられている熱機関の構造・原理などの理解を通して、現在私たちの生活を便利にしている熱機関に対する問題点などを認識する。
【徳山高専学習・教育目標】C1【JABEE基準】1(2)d-1
【評価法】(前期中間試験+前期末試験×2)/3を全体評価の90%とする。
残りの10%については、演習に対して総合評価に付加する。
各試験、学習シートおよびび自学・自習問題の評価方法は授業中に説明する    
【テキスト】教科書:丸茂栄佑・木元恭司 共著「工業熱力学」コロナ社
参考書:一色尚次・北山直方 共著「わかりやすい熱力学」SI版 森北出版株式会社
    田坂秀紀・佐藤忠数 共著「内燃機関」 森北出版株式会社など
【関連科目】ME1機械の基礎、ME1技術発達史論、ME3機構学、ME3水力学I、ME4水力学II、ME4熱力学、ME5流体力学、MC2熱流体工学