数学IB(Mathematics)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
一般科目必修1年3講義長廣恭子
【授業の概要】
前期は中学校で学んだことを復習し、それを発展させ、いろいろな式についての計算能力を十分に養う。方程式については解の性質を解明し、高次方程式、連立方程式の解法の原理など理論的な事項について学習する。数学IAですでに「関数とグラフ」を学んでいるので、方程式を解くことの意味や成り立ちを関数やグラフとも対応させながら学ぶ。文章問題や身の回りの問題から方程式を作成し、問題を解決する力も養う。後期前半は不等式についても同様の学習を行い、その解法にも習熟させる。続いて集合、命題の基本的な考え方について学習し、後期後半は「図形と方程式」の中で点と直線で表される図形について座標平面上で様々なものを求めることができる力を養う。
【授業の進め方】
下の授業計画において、1回分は1週分(90分+50分)とする。
座学の講義が基本であるが、「演習」「小試験」「レポート」などを次のように行う。
「演習」:教科書や問題集の問題を輪番に割り当てる。
「小試験」:毎週50分授業の最後に問題プリントを配布し、100分授業の最初に答え合わせを行い、採点後回収する。
「レポート」:定期テスト(中間・期末)毎にその試験範囲に相当する問題集(教科書と同時購入)の問を全問解いて提出する。問題数が少ない場合は別の問題プリントを配ることもある。小試験、およびレポート点を定期試験結果に毎回加味する(5点以内)。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 整式の加法・減法・乗法〜展開 整式の項の整理の仕方と、計算における基本法則を学ぶ。単項式の積における指数法則から多項式の積の展開へ。
2 回 因数分解(1) 共通因数をくくり出す因数分解から展開公式を利用した因数分解へ。たすき掛けを用いる因数分解。
3 回 因数分解(2)、演習 難しい因数分解と演習。1回〜3回までに学んだ内容について練習問題を解く。
4 回 整式の除法
最大公約数と最小公倍数
単項式の除法から多項式の除法へ。単項式、多項式の最大公約数、最小公倍数の求め方を学ぶ。
5 回 剰余の定理 高次式を1次式で割った余りを剰余の定理を用いて求める。
6 回 因数定理と高次式の因数分解
演習
剰余の定理において、余りが0のとき割った1次式は元の高次式の因数であることを利用して高次式の因数分解を行う。1回〜6回までに学んだ内容について練習問題を解く。
7 回 復習 1〜6回で学んだ内容について問題を解く。
8 回 中間試験 因数分解を初めとして様々な式の計算が自在にできるかどうか確認する。1回〜7回で学んだ内容。
9 回 分数式の計算
繁分数式・比例式
2つ以上の分数式の加減乗除。また分母より分子の次数が高い分数式を整式と分数式の和の形にする方法も学ぶ。繁分数式を簡単な分数式に直す方法、比を分数式に直したり分数式から比を用いて式を簡単にする方法を学ぶ
10 回 実数・絶対値・平方根
演習
実数の種類と性質を学ぶ。特に絶対値や平方根を文字で表した場合の性質について理解する。
11 回 複素数、複素数の計算
無理式
複素数の性質及び計算方法を学ぶ。
無理数や無理式の性質及び計算方法を学ぶ。
12 回 2次方程式の解の公式
判別式
1次方程式を解くことから方程式を解くことの意味を理解し、2次方程式の解の公式を導く。2次方程式の解の中の根号の中に現れる式(判別式)によってその2次方程式の解が実数解になるか虚数解になるかを判別できることを学ぶ。
13 回 解と係数の関係
2次式の因数分解
xについての2次方程式ax2+bx+c=0の2つの解をα、βとするとき、α+β=ーb/a、αβ=c/aであることを導き、その利用方法も学ぶ。2次方程式の解の公式を利用して因数分解を行う方法を学ぶ
14 回 いろいろな方程式 3元連立1次方程式、連立2次方程式、高次方程式、分数方程式、無理方程式、絶対値を含む方程式の解法
期末試験 9回〜14回で学んだ内容についてテストする。
15 回 答案返却など 試験の返却および解説。方程式と恒等式の違い、恒等式の性質を学び、併せて等式の証明方法を学ぶ。
16 回 不等式の基本性質と1次不等式
2次不等式
不等式の基本的な性質や演算法則を学び、1次不等式を解く。2次不等式の解き方、考え方を学ぶ。
17 回 いろいろな不等式
高次不等式、分数不等式、絶対値を含む不等式の解法を学ぶ。
18 回 不等式の証明
演習
不等式の証明方法。相加平均相乗平均。15回〜18回で学んだ内容について練習問題を解く。
19 回 集合 集合の基本的な考え方、や記号およびド・モルガンの法則について学ぶ。
20 回 命題 命題の真偽、必要条件、十分条件、逆、裏、対偶について学び、背理法を用いた証明方法についても学習する。
21 回 演習 19、20回で学んだ内容について問題を解く。
22 回 復習 方程式、不等式、集合、命題に関して総合的な問題を解く。
23 回 中間試験 15回〜22回で学習した内容についてテストする。
24 回 第6章:図形と式
点と直線
2点間の距離と内分点について学ぶ。
三角形の重心についても学ぶ。
25 回 直線の方程式 1点の座標と傾き、2点の座標が与えられたときの直線の方程式の求め方を学習する。
26 回 2直線の関係 2直線が平行な場合と垂直な場合について傾きの間に成り立つ関係を学ぶ。
27 回 演習 24回〜26回までに学んだ内容について演習問題を解く。
28 回 三角形の心と外分点 三角形の外心、内心、垂心および2点を結ぶ線分の外分点の求め方を学ぶ。
29 回 復習 24回〜28回までに学習した内容について練習問題を解く。
期末試験 24回〜29回で学んだ内容についてテストする。
30 回 答案返却など 試験の返却および解説。
【到達目標】・文字式を自由に操り、目的に応じて変形できる。
・2次の方程式や不等式を基本として様々な方程式、不等式が解ける。
・集合、命題について理解し、様々な数学の問題を解くことに生かすことができる。
・点と直線について座標平面上で自由に操ることができる。(但し回転は0度と90度のみ)
【徳山高専学習・教育目標】A1【JABEE基準】
【評価法】各定期試験の成績はテストの素点に平常点(5点以内)を加えた点数とし、100点を超えた場合は100点とする。平常点は毎回の小テストおよびテスト毎に提出するレポートで評価する。最終成績は4回の定期試験の成績(平常点を加えたもの)の平均とする。
【テキスト】教科書:新訂 基礎数学(斎藤斉、高遠節夫ほか4名著/大日本図書発行)
問題集:新訂 基礎数学問題集(斎藤斉、高遠節夫ほか4名著/大日本図書発行)
【関連科目】数学IA、数学IIA,B、数学IIIA,B、その後の数学にも関連