本科 | 選択・必修 | 開設時期 | 単位数 | 授業形態 | 担 当 | |||
機械電気 | 必修 | 4年 | 2 | 講義 | 池田 光優 | |||
【授業の概要】 熱を動力に変換することによって人類は巨大な工業社会を形成し、生活を豊かにしてきた。熱力学の講義では、熱・動力変換装置としてのサイクルやその変換効率を学ぶことを主たる目的とする。まず熱や仕事に関する基礎概念やエネルギー保存則を学び、次に完全ガスをはじめとする作動物質の性質と状態変化を学び、サイクルの熱効率の導き方を学ぶ。次に工業的に重要な蒸気と蒸気サイクルについて学ぶ。さらにエントロピー概念とエクセルギー概念からエネルギーの有効利用について学ぶ。 | ||||||||
【授業の進め方】 各授業の初めに、その講義の概要の簡単な説明を行った後80分程度の講義を行い、20分程度で関連する問題の演習などを学習シートとして行う。各章が終了した時にはテキストの各章末問題を自学自習で解き提出してもらう。また、その内容を確実に身につけるために、予習復習が必須である。また、授業の参加状況を確認するために講義ノートの確認を定期試験毎に行う。 | ||||||||
【授業計画】 | 【授業項目】 | 【内 容】 | ||||||
1 回 | 熱力学で用いる物理量(1) | 熱学的概念である温度、熱量、比熱、顕熱・潜熱について理解する。(学習シート01) | ||||||
2 回 | 熱力学で用いる物理量(2) | 圧力と絶対仕事について理解する。(学習シート02) | ||||||
3 回 | 熱力学で用いる物理量(3) | 工業仕事について理解し、絶対仕事と工業仕事の関係を理解する。(学習シート03) | ||||||
4 回 | 熱力学の第一法則(1) | 熱力学の第一法則の概念について理解する。学習シート04) | ||||||
5 回 | 熱力学の第一法則(2) | 熱力学の第一法則の基礎式について理解する。(学習シート05) | ||||||
6 回 | 熱力学の第一法則(3) | 流れを伴う場合の熱力学の第一法則をエンタルピを用いて理解する。(学習シート06) | ||||||
7 回 | 熱力学の第一法則(4) | 熱力学の第一法則を学ぶことによって解くことのできる演習問題について解説する。(学習シート07) | ||||||
8 回 | 中間試験 | 熱力学で用いる物理量、熱力学の第一法則に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義内容の理解度を確認する。なお、年間行事の関係で授業中に実施することもある。 | ||||||
9 回 | 完全ガスの持つ性質(1) | 完全ガスと実在ガス、および完全ガスの状態方程式、ガスの比熱について理解する。(学習シート08) | ||||||
10 回 | 完全ガスの持つ性質(2) | 気体の分子運動論、混合ガスの分圧について理解する。(学習シート09) | ||||||
11 回 | 完全ガスの状態変化(1) | ガスのする仕事と熱の出入り、等圧変化について理解する。(学習シート10) | ||||||
12 回 | 完全ガスの状態変化(2) | 等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化について理解する。(学習シート11) | ||||||
13 回 | 熱力学の第二法則(1) | 熱力学の第二法則、永久機関について理解する。(学習シート12) | ||||||
14 回 | 熱力学の第二法則(2) | サイクルと熱効率、カルノーサイクルについて理解する。(学習シート13) | ||||||
期末試験 | 完全ガスの持つ性質完全ガスの状態変化、熱力学の第二法則に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義内容の理解度を確認する。 | |||||||
15 回 | 答案返却など | 試験答案を返却し解説を行い、前期の範囲の総括を行う。 | ||||||
16 回 | 熱力学の第二法則(3) | 熱力学的温度とエントロピについて理解する。(学習シート14) | ||||||
17 回 | 熱力学の第二法則(4) | 完全ガスの状態変化とエントロピの増減の関係について理解する。(学習シート15) | ||||||
18 回 | 熱力学の第二法則(5) | エクセルギとアネルギについて理解する。(学習シート16) | ||||||
19 回 | 蒸気(1) | 水の状態変化について理解する。(学習シート17) | ||||||
20 回 | 蒸気(2) | 湿り飽和蒸気について理解する。(学習シート18) | ||||||
21 回 | 蒸気(3) | 蒸気表とその使い方について理解する。(学習シート19) | ||||||
22 回 | 蒸気(4) | 蒸気線図とその見方について理解する。(学習シート20) | ||||||
23 回 | 中間試験 | 熱力学の第二法則および蒸気の特性に関する語句説明問題、計算問題を出題し、これまで行った講義の理解度を確認する。 | ||||||
24 回 | 蒸気機関 | 蒸気を動作流体としたランキンサイクルについて理解する。(学習シート21) | ||||||
25 回 | 冷凍サイクル(1) | 冷凍サイクルや熱ポンプの性能に関する指標である成績係数について理解する。(学習シート22) | ||||||
26 回 | 冷凍サイクル(2) | 冷凍サイクルや熱ポンプで用いる動作流体である冷媒について理解する。(学習シート23) | ||||||
27 回 | エネルギ変換(1) | 圧縮性流体の運動方程式、連続の式について理解する。(学習シート24) | ||||||
28 回 | エネルギ変換(2) | 完全ガスのノズル内の流れと流量および先細ノズルの臨界流れについて理解する。(学習シート25) | ||||||
29 回 | エネルギ変換(3) | マッハ数、末広ノズル、先細末広流路および衝撃波について理解する。(学習シート26) | ||||||
期末試験 | 蒸気機関、冷凍サイクル、エネルギ変換に関する語句説明問題、計算問題を出題しこれまで行った講義の理解度を確認する。 | |||||||
30 回 | 答案返却など | 試験答案を返却し、解説する。その後熱力学に関する総括を行う。 | ||||||
【到達目標】 | 熱機関、冷凍機、暖房機など、熱エネルギーの移動によって動作する機関の性能評価を行うための基礎知識を有すること。またエネルギーと仕事というものは等価なものということを、本質的に理解できていること。 | 【徳山高専学習・教育目標】 | C1 | 【JABEE基準】 | 1(2)d-1 | |||
【評価法】 | (前期中間試験+前期末試験+後期中間試験+学年末試験)/4を全体評価の70%とする。残りの30%については、本講義では学習シートおよび自学自習で行うテキストの章末問題で演習を行うようにしており、演習・自学自習問題・講義ノートの提出状況にて、全体表の30%内の範囲で採点を行い、総合評価に付加する。各試験、学習シートの評価については、授業中に説明する。 | |||||||
【テキスト】 | 教科書:丸茂、「工業熱力学」コロナ社 参考書:一色「わかりやすい熱力学」SI版、森北出版株式会社 北山「絵とき 熱力学のやさしい知識」オーム社 | |||||||
【関連科目】 | ME1機械の基礎、ME1技術発達史論、GE2物理、GE2化学、ME3機構学、ME3工業力学、ME3水力学、ME4水力学、ME5熱機関、MC2熱流体工学 |