工学デザインI(建築系)(Engineering Design I)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
土木建築必修4年2演習古田健一 中川明子 洞崎伸治
【授業の概要】
木造建築の構造を理解した設計ができる技術を、施工に必要な図面や軸組み模型を作成する演習を通して修得させる。建築物の設計計画の実際を理解させるために、木造住宅の構造を理解した設計ができることを目標とする演習を行う。
【授業の進め方】
間取りと外観だけがデザインされた住宅の構造に関する図面を資料をもとに平面詳細図(縮尺1:50)と伏せ図(縮尺1:100)を作成する。前期終了までに作成した平面詳細図、伏せ図を元に壁量計算書( 夏季課題) を作成後、軸組み模型(縮尺1:50)を製作する。さらに、完成した模型を参考にしながら矩計図(縮尺1:30)を作成する。最後に伏せ図・軸組み模型・矩計図の整合性をチェックし、完成度を高める。その内容を確実に身につけるために、授業時間外の作業が必須である。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 課題説明 与えられる情報:2階建て木造住宅の間取りが分かるだけの平面図(1/100)と立面図(1/100)。
2 回 1階平面詳細図(1/50)@ 柱の位置を決めチェックを受けてから作図開始
3 回 1階平面詳細図(1/50)A 真壁、大壁の書き分け
4 回 1階平面詳細図(1/50)B 建具の書き方チェック
5 回 2階平面詳細図(1/50)C 階段の書き方チェック
6 回 2階平面詳細図(1/50)D 掃きだし窓、中連窓の書き分けチェック
7 回 2階平面詳細図(1/50)E 雨戸、ベランダの描き方チェック
8 回 伏せ図解説 伏せ図の描き方を講義
9 回 基礎伏せ図(1/100) 演習
10 回 1階床伏せ図(1/100) 演習
11 回 2階床伏せ図(1/100) 演習
12 回 1階小屋伏せ図(1/100) 演習
13 回 2階小屋伏せ図(1/100) 演習
14 回 壁量計算講義 木造2階建ての壁量計算方法を講義
15 回 壁量計算演習
平面詳細図、伏図の提出
壁量計算の演習(必要壁量など)
演習問題:夏季課題として提示
16 回 軸組み模型ガイダンス 夏季課題(壁量計算書) 提出
軸組み模型製作解説 構造部材リスト作成(材料購入計画) 壁量計算書チェック
17 回 軸組み模型製作(1) 演習
18 回 軸組み模型製作(2) 演習
19 回 軸組み模型製作(3) 演習
20 回 軸組み模型製作(4) 演習
21 回 軸組み模型製作(5) 演習
22 回 軸組み模型製作(6) 演習
23 回 軸組み模型完成提出
矩計図課題提示
教員による評価を展示巡回形式で行う。模型写真撮影
24 回 矩計図(1) 演習
25 回 矩計図(2) 演習
26 回 矩計図(3) 演習
27 回 矩計図(4) 演習
28 回 構造整合性チェック(1) 伏せ図・軸組み模型・矩計図の整合性をチェック
29 回 構造整合性チェック(2) 伏せ図・軸組み模型・矩計図の修正作業
30 回 最終発表会 修正後の軸組み模型・矩計図を巡回形式で評価
【到達目標】図面については木造住宅の一式図面として、そのまま施工できる水準の図面に仕上げることを目標とする。軸組み模型については、壁量計算の結果をもとに構造的に安全な木造建築物を設計できることを目標とする。
【徳山高専学習・教育目標】A1【JABEE基準】1(2)d-1,2.1(1)@
【評価法】平面詳細図及び伏せ図は、減点方式で採点する。構造上の誤り(梁がかけられない、床が落ちる等)は1ケ所につき10点、材料の断面積の不足は1ケ所に5点、作図表現のミスは1ケ所につき3点、記入の誤字脱字は1ケ所につき2点を減点すことを標準とする。
壁量計算シート、軸組み模型、矩計図の3つの提出物を元に、A : 構造補強の正確さ、B : 模型精度、C: 矩計図面精度について評価し、総合評価を行う。また提出遅れは、減点(概ね〜2点/ 日) する。
【テキスト】建築設計製図(実教出版)、建築構造(実教出版)
【関連科目】本 科:建築一般構造(3年)