数学IIA(ME2、IE2、CA2、通年)(MathematicsIIA)
本科選択・必修開設時期単位数授業形態担 当
一般科目必修2年3講義山本 拓生
【授業の概要】
一変数関数について微分法と積分法の基本的な概念や相互の関係を把握し、基本的な関数の導関数や不定積分、定積分の計算に習熟する。さらに工学的な問題にも触れながら、微分法の応用について、その考え方、適用法を理解し修得する。本授業の理解を高めるためには予習復習が必須である。
【授業の進め方】
教科書にそってを参照しつつも講義、演習を行う。演習では問題を指定し解答を板書してもらう。演習の時間に小テストを行うこともある。演習問題等のレポートを課すことがある。本授業の理解を高めるためには予習復習が必須である。
【授業計画】 【授業項目】 【内 容】
1 回 1年次の関数の復習 1年次に出会った4つの関数。すなわち、べき関数、指数関数、対数関数、三角関数の復習を行う。
2 回 関数の極限と連続 関数の極限が正(負)の無限大であるという概念を導入し、記号(±∞)の取り扱いと極限の意味を理解する。また、点における関数の連続・不連続を理解し、グラフ上におけるその特徴を確認する。中間値の定理を利用して、閉区間における方程式の解の存在が示されることを学ぶ。
3 回 微分係数と導関数 微分係数の定義に基づいて、べき関数x^nの微分係数を求める。さらに微分係数と接線の傾きについて触れる。また、導関数の概念を理解する。
4 回 三角関数と指数関数の導関数 いくつかの三角関数の極限を計算したあと、三角関数(sin、cosのみ)の導関数を三角関数の諸公式などを活用して求める。さらにネピアの数を定義し、ネピアの数を底とする指数関数の導関数を求める。
5 回 和・差・積・商の導関数 関数の和・差・積・商の導関数の公式を求め、4回までに求めた3種類の関数(x^n、sinx、cosx、e^x)に適用してみる。またx^(p/q)、tanx等の導関数を求める。
6 回 合成関数の導関数1 2つの関数の合成関数の微分の公式を証明し、自然対数logxを定義したのちその導関数を求める。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。
7 回 演習 担当を割り当てて板書で演習を行う。
8 回 中間試験 以上の範囲で試験を行う。
9 回 答案返却及び逆三角関数 答案の返却と説明を行う。また、1年生のときに学習した逆関数とその求め方について復習し、逆正弦、逆余弦、逆正接関数を求めそのグラフをかく。
10 回 合成関数の導関数2 逆三角関数の微分法と対数微分法を学ぶ。
11 回 微分法まとめ 以上の範囲のまとめを行う。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。
12 回 接線と法線及び関数の増減 導関数の符号の変化を調べて、その関数の増加、減少の状態を調べる。
13 回 極大・極小及び不定形の極限(ロピタルの定理)接線と法線及び関数の増減 極値の概念、ロピタルの定理を解説したのちグラフの概形を書きかたを習得する。
14 回 関数の最大・最小 増減表を利用して、関数の最大値・最小値を求める。また、担当を割り当てて板書で演習を行う。
期末試験 前期中間試験以後学習した内容について試験をする。
15 回 答案返却など 答案の返却と説明を行う。またロルの定理、平均値の定理、ロピタルの定理の証明の概略を学ぶ。
16 回 高次導関数・曲線の凹凸 関数の積の第n次導関数を求められるようにする。曲線の凹凸の判定や変曲点が求められるようにする。
17 回 曲線の媒介変数表示 媒介変数を用いて、曲線の方程式を求める。媒介変数表示による関数の導関数 媒介変数で表された関数の導関数を求める。
18 回 速度と加速度及び演習 速度と加速度の概念について学ぶ。また時間があれば簡単な運動方程式にも触れ、担当を割り当てて板書で演習を行う。
19 回 不定積分 微分法の逆演算として不定積分を導入し、微分法と関連づけながら計算方法を理解する。
20 回 不定積分の計算(1) 様々な不定積分の求め方を学ぶ。
21 回 不定積分の計算(2) 様々な不定積分の求め方を学ぶ。
22 回 不定積分の計算(3) 様々な不定積分の求め方を学ぶ。
23 回 中間試験 前期期末試験以後学習した内容について試験をする。
24 回 定積分 定義に基づいて定積分の基本性質を理解し、その利用に習熟する。
25 回 微積分学の基本定理と定積分の計算(1) 微積分学の基本定理を証明した後、定積分の具体的な計算方法を学ぶ。
26 回 微積分学の基本定理と定積分の計算(2) 微積分学の基本定理を証明した後、定積分の具体的な計算方法を学ぶ。
27 回 置換積分 不定積分と定積分の置換積分を学ぶ。
28 回 部分積分 不定積分と定積分の部分積分を学ぶ。
29 回 色々な関数の積分 色々な関数の積分を置換・部分積分を用いて行う。
期末試験 後期中間試験以後学習した内容について試験をする。
30 回 答案返却など 答案の返却と説明を行う。
【到達目標】一変数関数について微分法と積分法の概念や相互の関係を把握し、基本的な関数の導関数・不定積分・定積分の計算を身につける。教科書の問と練習問題の70%が自力で解けるようになる。
【徳山高専学習・教育目標】A1【JABEE基準】
【評価法】前期:中間試験50%、期末試験50%、…@
後期:中間試験50%、期末試験50%、…A
最終評価:@×1/2+A×1/2
(ただし上記以外にレポート等を課すことがある)
【テキスト】教科書:新井一道他執筆 新「微分積分I」(大日本図書)
問題集:新井一道他執筆 新「微分積分I」問題集(大日本図書)
参考文献:
Serge Lang,「Basic Mathematics」(Springer) 
Serge Lang,「A First Course in Calculus (Undergraduate Texts in Mathematics)」(Springer)
Serge Lang,「Short Calculus: The Original Edition of “A First Course in Calculus” (Undergraduate Texts in Mathematics)」(Springer)
Frank Ayres and Elliott Mendelson,「Schaum's Outline of Calculus (Schaum's Outline Series)」(McGraw-Hill)
Gilbert Strang,「Calculus」(Wellesley-Cambridge)
【関連科目】数学IA、数学IB、数学IIB、数学IIIA、微分積分学、微分方程式、応用解析学概論、ベクトル解析、一般物理、力学、電磁気学、等多数