本科 | 選択・必修 | 開設時期 | 単位数 | 授業形態 | 担 当 | |||
情報電子 | 選択 | 5年 | 2 | 講義 | 原田 徳彦 | |||
【授業の概要】 コンピュータと通信ネットワークを結合したデータ通信システムの設計に役立つ個々の構成技術と全体のシステム構成を学習する。また、ユーザインタフェースからみた通信ネットワークの利用技術も学ぶ。後半は待ち行列理論とシミュレーションによるデータ通信システムの設計法を学習する。 | ||||||||
【学修の進め方】 データ通信システムの設計に役立つように、個々の技術と全体システムとの関連を重視する。また、全体システムの理解のために、ネットワークアーキテクチャを把握できるようにする。待ち行列理論では、例題演習を多く取り入れた授業を行なう。 | ||||||||
【授業計画】 | 【授業項目】 | 【内 容】 | ||||||
1 回 | データ通信システムの概要 | データ通信サービスによるシステム形態を学ぶ。 | ||||||
2 回 | データ通信システムの情報処理形態 | 処理形態をバッチ処理、会話処理、実時間処理に分類し、それぞれの処理の流れを学ぶ。 | ||||||
3 回 | 通信制御系の機能 | 通信制御の機能、ハードウエア、ソウトウエアの機能分担およびそれぞれの基本構成について学ぶ。 | ||||||
4 回 | 通信回線の種類と特性 | データ通信システムに使用する交換回線と専用回線の種類と特性を学ぶ。 | ||||||
5 回 | ベースバンド伝送特性 | 伝送路の周波数特性とパルス波形歪の関係を学ぶ。 | ||||||
6 回 | ネットワークアーキテクチャの概要 | OSI参照モデルによるプロトコル7階層について層間の相互関係に着目して全体像を理解する。 | ||||||
7 回 | 伝送制御手順(1) ベーシック手順 |
ベーシック手順の基本構造、制御キャラクターの使用法、およびポーソング、セレクティング方式を学ぶ。 | ||||||
8 回 | 中間試験 | 7回までの授業で学習した範囲で試験を行う。 | ||||||
9 回 | 伝送制御手順(2) HDLC |
HDLCのシステムへの適用例を学び、HDLCの汎用的な機能を理解する。 | ||||||
10 回 | コネクション指向とコネクションレス通信(1) | プロセス間コネクションに着目したネットワーク構造の相違点を理解する。 | ||||||
11 回 | コネクション指向とコネクションレス通信(2) | 各種ネットワークを両方式で分類し、利用する立場からみたネットワークの特質を理解する。 | ||||||
12 回 | 符号化方式の基礎 | 固定長符号、可変長符号、エントロピー、および誤り検出、訂正符号について学ぶ。 | ||||||
13 回 | 線形符号化方式 | 線形符号化理論の基礎を学び、1ピット誤り訂正符号の作成を演習で行う。 | ||||||
14 回 | ファクシミリの符号化 | ファクシミリの符号方式である、MH方式とREAD方式を学ぶ。 | ||||||
期末試験 | 9回から14回までの授業で学習した範囲で試験を行う。 | |||||||
15 回 | 答案返却など | 試験の解説を行う。 後期はデータ通信品質と待ち行列理論を学習する。 |
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16 回 | 通信サービス品質 | 通信品質である接続品質、伝送品質、安定品質を理解し、データ通信サービスとの関係を学ぶ。 | ||||||
17 回 | オンラインシステムの応答時間 | 通信サービス品質の重要な要素である。応答時間の発生メカニズムを学ぶ。 | ||||||
18 回 | 待ち行列モデルの統計的考察 | 代表的なトラヒックモデルであるランダム入出力とポアソン分布、指数分布の関係を学ぶ。 | ||||||
19 回 | 待ち行列の基本解析(1) | 状態遷移方程式の導入による応答時間の過渡解と定常解の求め方を学ぶ。 | ||||||
20 回 | 待ち行列の基本解析(2) | 簡単なシステムモデルについて応答時間を求める演習を行う。 | ||||||
21 回 | 離散入出力モデルの解析 | セル多重を想定した待ち行列の解析を学ぶ。 | ||||||
22 回 | ヒンチン・ポラチェック理論(1) | より一般的なモデルに適用できるヒンチン・ポラチェック理論を学ぶ。 | ||||||
23 回 | 中間試験 | 16回から22回までの授業で学習した範囲で試験を行う。 | ||||||
24 回 | ヒンチン・ポラチェック理論(2) | 各種システムモデルに対する応答時間を求める演習を行う。 | ||||||
25 回 | ネットワークシミュレーション技法(1) | 待ち行列のシミュレーション技法の基本を学ぶ。 | ||||||
26 回 | ネットワークシミュレーション技法(2) | シミュレーションに必要な特定の確率分布をもつ入出力を求める方法を学ぶ。 | ||||||
27 回 | シミュレーション結果の統計処理 | 複数の測定値による区間推定法を学ぶ。 | ||||||
28 回 | シミュレーション演習(1) | 特定のネットワークモデルを対象にしたシミュレーション演習を行う。 | ||||||
29 回 | シミュレーション演習(2) | 特定のネットワークモデルを対象にしたシミュレーション演習を行う。演習後、レポートを提出する。 | ||||||
期末試験 | 実施しない。 | |||||||
30 回 | 答案返却など | 演習の解説を行う。 | ||||||
【到達目標】 | データ伝送特性、ネットワークアーキテクチャ、および符号化方式を理解する。また、待ち行列理論の基礎を学び、実際のシステム設計への応用に橋渡しができるようにする。 | 【徳山高専学習・教育目標】 | C1 | 【JABEE基準1(1)】 | d-2a | |||
【評価法】 | 総合評価は3回の試験と最後の演習レポート、計4回の得点の平均で行なう。記述式の試験の場合は、以下の基準で評価する。 (1)記述が正確で、方式をよく理解している。(100%) (2)記述に若干のあいまいさはあるが、方式の理解は十分である。(80%以上) (3)記述内容が不足しているが、方式の理解はほぼ満足できる。(60%以上) (4)記述が部分的であり、方式の理解も不十分である。(40%以上) | |||||||
【テキスト】 | ノート講義 | |||||||
【関連科目】 | 情報通信工学 ネットワークアーキテクチャI ネットワークアーキテクチャII |