第33回入学式・第12専攻科入学式

式辞  徳山工業高等専門学校長 天野 徹

 本日、ここに、ご来賓並びに多数の保護者の方々をお迎えして、徳山工業高等専門学校第33回入学式及び第12回専攻科入学式を挙行できますことは、本校教職員並びに在校生一同の大きな喜びであり、ご臨席のみなさま方に対し、心から御礼申し上げます。
 ただいま、機械電気工学科44名、情報電子工学科40名、土木建築工学科46名、合わせて130名の1年生、そして、下松工業高等学校及び下関中央工業高等学校からの編入生3名、さらに、マレイシア、スリランカ及びモンゴルからの留学生3名、また、本校及び大島商船高等専門学校を卒業し、専攻科に進学する者18名。以上154名のみなさんの入学を許可いたしました。

 新しく入学あるいは進学されたみなさん。徳山高専にようこそ。徳山高専は、みなさんを心から歓迎いたします。専攻科に進学された方々を別にすれば、多くのみなさんにとって、高専における生活は、未知のものだと思います。新しい生活に対する大きな夢と期待、そしてちょっぴりと不安を胸に、そこに座っておられることと思います。
 私も、先程、みなさん一人一人のお顔を確認しながら、新しい仲間を得た喜びと同時に、責任の重さを改めてかみしめていました。今日ここで、みなさんと一緒に新しい生活のスタートを切り、共に学びながら、これからの数年間を有意義に過ごしたいと考えています。よろしく、お願いします。

 さて、これからも、様々な機会に、みなさんにお話しをすることがあると思いますが、その最初の機会である今日、一つだけお話しておきたいと思います。

 今年の一月、「ニューホライズンズ」という無人探査機が、アメリカのケープカナベラルから打ち上げられました。この無人探査機は、地球から五十億キロメートル程離れた惑星、冥王星を目指しています。人類は、これまで、太陽、月、そして惑星に向けて、二百個近い探査機を送って来ていますが、冥王星に探査機を送るのは初めてです。
 この「ニューホライズンズ」という探査機は、歴代の探査機の中で最も早く飛ぶ探査機で、月までなんと九時間で到着するのだそうです。それでも、冥王星に到着するには、十年近い時間がかかります。今や、そんなに遠いところにまで、人間の活動の場は拡がっているのです。

 人類は、10万年程前にアフリカで生まれて以来、身の回りだけでなく、外の世界に対する興味や関心を持ち、そこで活躍する夢を抱き続けて来ました。そんな人類の夢を実現させるために生まれ、発達してきたのが、技術なのです。通信や輸送に関する技術はもちろんそうですが、新しい土地に適応するためには土木・建築技術が必要でした。様々な機械も、外に飛び出すための多くの資材を供給すると共に、外に目を向けるゆとりを人類に提供してきました。
 そのような技術の発達のおかげで、今や、人類の興味の対象は、地球から月へ、そして火星からさらに遠くの冥王星へと確実に拡がってきています。そして、興味の対象が拡がり、外の世界に関する知識が増えれば増える程、人類の夢はさらに大きなものになっていくのです。
 冥王星という惑星は、発見されてから、まだ七十五年しかたっていませんから、私たちが、冥王星について知っていることは、ほんのわずかです。しかし、「ニューホライズンズ」がもたらす貴重な情報は、人類により大きな夢を与えてくれるに違いありません。
 技術というものは、夢を実現する道具であると同時に、より大きな夢を与えてくれるものでもあるのです。

 みなさんがここ徳山高専で学ぶ知識や技術は、みなさんがそれぞれに抱いている夢をかなえる大きな手段です。同時に、知識や技術を学ぶことが、より大きな夢を形作ることにもなるのです。
 本日ここに入学あるいは進学されたみなさん。先人達の残してくれたものの上に、みなさん自身の夢を重ね、そして、さらにその先をめざして欲しいと思います。みなさん自身の可能性を信じ、学業に、研究に、運動に、また課外活動に励んでください。次の時代の人類の夢は、みなさんが描いていくのです。

 私をはじめ、本校の教職員は皆、それぞれの夢を、みなさんの将来に重ね合わせつつ、みなさんの持つ可能性が最大限に発揮されるよう努めることをお約束して、式辞といたします。

                 平成18年4月4日
                       徳山工業高等専門学校長
                              天 野  徹