本日、ここに、ご来賓並びに多数の保護者の方々をお迎えして、徳山工業高等専門学校第30回入学式及び第9回専攻科入学式を挙行できますことは、本校教職員並びに在校生一同の大きな喜びであり、ご臨席のみなさま方に対し、心からお礼を申し上げます。
ただいま、機械電気工学科41名、情報電子工学科41名、土木建築工学科45名、合わせて127名の1年生、そして、大島商船高等専門学校、徳山工業高等学校、文徳高等学校、福岡工業高等学校、及び下関中央工業高等学校からの編入生5名、さらに、インドネシア及びラオスからの留学生2名、また、本校及び大島商船高等専門学校を卒業し、専攻科に進学する者31名。以上165名のみなさんの入学を許可いたしました。
新しく入学あるいは進学されたみなさん。徳山高専にようこそ。徳山高専は、みなさんを心から歓迎いたします。専攻科に進学された方々を別にすれば、多くのみなさんにとって、高専における生活は、未知のものだと思います。新しい生活に対する大きな夢と期待、そしてちょっぴりと不安を胸に、そこに座っておられることと思います。
私も、先程、みなさん一人一人のお顔を確認しながら、新しい仲間を得た喜びと同時に、責任の重さを改めてかみしめていました。今日ここで、みなさんと一緒に新しい生活のスタートを切り、共に学びながら、これからの数年間を有意義に過ごしたいと考えています。よろしく、お願いします。
さて、これからも、様々な機会に、みなさんにお話しをすることがあると思いますが、その最初の機会である今日、一つだけお話しておきたいと思います。
2月1日の、スペースシャトル「コロンビア号」の事故は、みなさんの記憶にまだ新しいのではないでしょうか。技術に関わる者の一人として、また、人類の一員として、私も大きなショックを受けました。特に、7名の宇宙飛行士の方々が犠牲になられたことは、フロンティアの厳しさというものを、改めて私達に印象づけました。
そして、その厳しいフロンティアに、何年にもわたる訓練を経て、危険を覚悟で挑戦された、宇宙飛行士のみなさんの勇気に、深い感銘を覚えると同時に、その勇気の源は何だったのだろうかということを考えさせられました。
私は、その勇気の源は、「自分の後に、自分と同じ夢に向かって挑戦する人たちがいる。」ということだったのではないかと思うのです。仮に自分が果たせなくても、その挑戦を引き継いで、前に進んでくれる人が居るという確信が、彼らの勇気の源なのだと思います。
ですから、彼らの勇気を讃え、犠牲に報いる方法はただ一つ、彼らの夢を引き継ぎ、そして、彼らよりも、さらに遠くに行くことなのです。
考えてみますと、宇宙に限らず、技術の進歩は、常に、困難と失敗と、そして犠牲を伴ってなされて来ました。自動車、飛行機、橋、トンネル、電気、そして通信。今では、当たり前になっている技術も、その開発の最前線では、困難や危険を承知で、開拓者達が、数知れぬ失敗を重ね、また、犠牲を払って来たのです。
そこでも、彼らの挑戦する力の源となったのは、「今、先の見えないフロンティアに立っているのは、自分一人だとしても、自分の切り開いた道を、必ず、誰かが、引き継いで歩いてきてくれる。」という確信。その確信だったと思うのです。
本日ここに入学あるいは進学されたみなさん。みなさんは、そういった開拓者達のの思いを引き継ぐべき方々なのです。先人達の残してくれたものの上に、みなさん自身の夢を重ね、そして、さらにその先をめざして欲しいと思います。みなさん自身の可能性を信じ、学業に、研究に、運動に、また課外活動に励んでください。次の時代のフロンティアは、みなさんの前にあるのです。
私をはじめ、本校の教職員は皆、それぞれの夢を、みなさんの将来に重ね合わせつつ、みなさんの持つ可能性が最大限に発揮されるよう努めることをお約束して、式辞といたします。
平成15年4月7日
徳山工業高等専門学校長 天野 徹
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